読んだ本の感想など

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講談社現代新書『中流危機』感想

NHKスペシャル取材班『中流危機』講談社現代新書 2023年9月刊

 

 

昔は中流階級が多かったけれど今は下流階級が多くなっているという内容の本。稼げる仕事をするためのリスキリングについて長く語られていて、その辺り読み応えがありました。

日本の中小企業が稼げなくなっているという内容や、非正規雇用が増えているという内容なんかは色々な本で語られていますよね。本当にそういう社会になっているのだろうと思います。非正規雇用が増えると人材育成が弱くなってしまって、ますます稼げなくなっていくと。悪循環ですね。

稼げる仕事をすべきという内容は本当にその通りだと思いますけど、実際なかなか難しかったりしますよね。私も税理士業をしていて稼げる分野の仕事と稼げない分野の仕事があると思っていますけど普通にどちらの仕事もやっています。というか来た仕事は普通に何でもやっています。特に戦略もなく。従業員を雇っているからにはもっと丁寧に戦略を決めていくべきなのかもしれませんけど、現状で満足していますし、稼げる仕事も稼げない仕事もどちらも仕事としては楽しすぎるのでそのまま続けています。

リスキリングの話題の中で税理士事務所のリスキリングの話があって、とても興味深かったです。従業員がプログラムを勉強して作業を効率化したという内容で、うちの事務所ではまったく無い話でしたので、とても新鮮でした。税理士事務所もこういう方向の進化が可能だったのかと。各顧問先のetaxのメッセージボックスに届いたメールを自動で取得していくというプログラムについて語られていましたけど、良さそうだなぁと思いました。うちの事務所では自動でメールで通知してもらうような設定にはなっているのですけど内容が表示されなくって、結局ログインして中身を見ないとわからないケースが多いです。それを自動で振り分けてくれたりしたらちょっと楽になりそうだなぁと思いました。なんだか勉強になる話でした。

最後の章の同一労働同一賃金の話題も、共感できる話でした。実際なかなか難しいと思っていますけど、目指していきたいですよね。同じ時給2000円の人は1時間あたり同じくらいの仕事をするような仕組みを作りたいです。同じ仕事をして給料が違うみたいなのは無くしていきたい。別の仕事をして時給が違うというならまぁ良いのですけど。そのあたり不公平感の無い仕組みを作っていきたい。