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遠藤かたる『推しの殺人』ネタバレ感想

遠藤かたる『推しの殺人』宝島社文庫 2024年2月刊

 

 

※小説の感想はすべてネタバレありで書いていこうと思います。

 

久しぶりに小説を読みました。そもそも確定申告期間中は読書する時間も無いのですけど、たまたま立川のららぽーとの本屋に入ったときに平積みに並んでいるのを見て、そのうち読むかなーと思って購入したら2日で読破してしまいました。おもしろかったです。

最近まったくライブに行かなくなってしまったので地下アイドル自体がとてもなつかしいものになってしまいました。独身のころはライブに色々と通っている間に有名どころはだいたい知っているくらいになっていたのですけど。

それはいいとして、この先ネタバレで語ります。

最初の殺人のときは、あーこれは別人が犯人パターンかぁと思ったのですけど、そんなことなかったですね。いきなりレンタカーを使って死体を運んだときは殺人バレ展開しかなさそうだけど大丈夫なのか…と思いながら読みました。途中でドッキリ展開が出てきてからがめちゃめちゃおもしろかったです。このドッキリのシーンは文章のスピード感と緊張感もすごくて、名シーンだったと思います。アイドルとしての覚悟という台詞を持ってくるのが良すぎた。色々な展開があり得ると思わせてドッキリオチというのは、良かったですね。そのあとの展開の流れも説得力がありました。

最後の終わり方も良かったですね。ライブで終わるのは美しい。ここも色々な展開があり得ると思わせる雰囲気で、うまい終わり方だと思いました。

地下アイドルの年齢制限あって有限な感じや地上に行けずに停滞している閉塞感が殺人隠ぺいの焦燥感と重なりあって、良い空気感になっていたと思います。全然知らない作家の作品でしたけど(デビュー作?)これは他の作品も読んでみたいですね。