浅瀬明『卒業のための犯罪プラン』宝島社文庫 2024年3月刊
※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。
たしかららぽーとかイオンモールの本屋で見かけて購入しました。ああいうショッピングセンターって必ず本屋があるのが良いですよね。
寝る前に少しずつ読み進めていって、一週間くらいで読破しました。最後の方は一気読みに近かったです。おもしろかったですね。エンターテイメントって感じでした。
大学の中でビジネスがおこなわれているという世界観で、全体的に若い感じというか青い感じがリアル感あって、違和感なく世界に入り込めました。キャラクターもわかりやすくて、情景がイメージできるシーンばかりだったと思います。主人公がなぜか一番どんな顔かイメージ湧きづらかったかもしれない。他のキャラはだいたい顔や雰囲気がイメージできました。世界観に入り込めて、すいすい最後まで読めました。
この先ネタバレで語ります。
監視カメラをタイムマシンとして売り出すとか、スマート眼鏡を人間の第三の眼として売り出すとか、わくわくする言い回しがビジネスに繋がるという話はめちゃめちゃおもしろかったです。リアル感あるなぁと思いました。なんかすんなり納得できました。
三賢人の設定とか、学内の不正行為を監視する設定とか、設定が練られていてとてもおもしろかったですね。ポイントを取得するために不正ギリギリのところを狙おうとする発想とかも自然な展開で、読んでいて納得感がありました。ポイントをインフレさせて貯め込んでいる人にダメージを与えたかったというオチもおもしろかったです。
すごくよく練られたファンタジー設定小説という感じで、世界観を作り上げた作者がすごいなと思いました。この世界観の中で学内で色んなドラマが作れそうですし。