安藤広大『リーダーの仮面』ダイヤモンド社 2020年11月刊
永福町駅の本屋のビジネスコーナーで平積みになっているのを見てKindleで購入しました。こういうときにAmazonではなく永福町の本屋へお金を落とせるような仕組みが早くできれば良いですよね。まぁそれはいいとして。
リーダーは仮面をかぶるみたいに役割に徹しなさいという内容の本。プレイヤーからマネージャーへ。私は常にそういう悩みを抱えながら社会人してきたような気がしますが、結局いまだにプレイヤーのままです。もしかしたら70歳までプレイヤーしてるんじゃないかという気もします。そんな私ですが、この本はとてもおもしろかったです。そういう発想はなかったなーという話も多くて、興味深かったです。
まず、ルールの思考法。誰でも守れるルールを作ってルール通りにやっていくという考え方。とても良いなと思いました。ルールがあいまいだったり人ごとに違ったりしたらモヤモヤしますもんね。うちの事務所もそうしたいですね。現状ではほぼルール無しなのですけど。しいて言えば月曜朝に掃除をするということくらい。他の曜日は掃除しない。
位置の思考法では、リーダーは部下と距離を取れという考え方が紹介されていました。部下にはお願いではなく言い切りで命令する、機械的にほうれんそうをさせる、などなど。友達ではないのだからリーダーは孤独であるべきという考え方ですね。なるほどな~と思いました。うちの事務所は従兄弟を雇っているので、完全にこの本の教えとは真逆ですね。子どものころから知っている友達以上に深い関係で、お願いでも命令でもなく「ちょっとそのペン取って」くらいのノリで仕事を振ってますし、ほうれんそうを要求することも無いです。こっちから「あの仕事終わった?」と聞いて終わっていれば確認する。それだけですね。親戚しかいない事務所のテキトーノリ。
あとは利益の思考法。組織の利益を優先して考えていくべきという考え方。言い訳無しで事実だけを伝え合うコミュニケーションや、競争状態を可視化していく手法などなど。当然と言えば当然なのでしょうけど、なかなか綺麗にできている職場は少ないかもしれないなと思いました。うちの事務所ももちろん一切できていないですし。事務所の利益は私だけが考えています。従業員は事務所の利益について1ミリも考えていないと思いますし、たぶんこの先もずっとそうだと思います。
結果の思考法については、他者からの評価が大事でプロセスではなく結果を評価すべきという考え方が紹介されていました。プロセス管理は意図的に省くべきと。これはうちの事務所もまさにそうしているので、共感できました。そうすると時間が減りますよね。効率的だと思います。
最後に成長の思考法。リーダーはトップを走らずマネージャーに集中すべきで従業員を成長させていくのが大事という考え方。人間の能力にそこまで差はないという考え方はなかなか共感できました。経験を積み上げていくと人間の限界値に集約されていくという。
最後まで読んで、現代的な内容で納得感の高い、良い本だったなと思いました。うちの事務所には当てはまらない話ばかりでしたけど、今どきの会社組織としてはこうあるべきだなぁという内容が詰まっている本だったと思います。アットホームな職場とか飲み会とかBBQとか求めている人はいないですよね。リーダー側の誰か一人が寂しくて求めているだけで。
現状のうちの事務所ではなかなかそこまでの組織にはなっていないわけですが、いつかもし他の先生と税理士法人を設立するようなことがあったら、そのときはまたこういう本を読んで考えていきたいです。全員同じで働けるような会社にしたいですね。