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ちくま新書『「いいね!」を集めるワードセンス』感想

斎藤孝『「いいね!」を集めるワードセンス』ちくま新書 2024年1月刊

 

 

今の時代は言葉のセンスがとても大事という内容の本。現代は大SNS時代ですし、良い言葉で良い文章を書ける能力は本当に大事ですよね。あって損は無い能力だと思います。もちろん人とリアルで会話するときの言葉の選び方のセンスも、いつの時代も変わらず大事だと思います。

そのワードセンスを身に付けるためにはどうすればいいかというテーマの本で、具体的な訓練方法が色々と紹介されていました。キャッチコピーをつけてみるとかあだ名とつけてみるとか。テレビ、ネット、新聞などに触れるときもワードセンスに着目しながら情報に接していくのが良い、など。訓練しないと身に付かない能力なので訓練が大事という話でした。

私も講師の仕事のときの原稿や、人に説明するときの伝え方など、ずっとあれこれ考えて、ようやく思い付いています。何も考えずに原稿がすらすら書けることはなく、良い伝え方がないものかとずっと考えているうちにひらめくという感じです。きっと芸人やギャグ漫画家の人たちは人を笑わせる表現をずっと考えているから思いつくのだろうと思いますし、私も税金やお金について人にわかりやすく伝えるということを常に考えながら仕事していかないといけないなーと思います。

私としては、この言葉のセンスという分野では太宰治が圧倒的だと思っています。高校1年生のときに太宰治の文章に感動してしまって新潮文庫をめちゃめちゃそろえました。それ以来ずっと太宰信者です。言葉のチョイスが天才的だと思います。太宰治の小説は、常に言葉選びについて考え抜いた結果ひらめいたのだろうなぁという文章が並んでいると思います。

この本の後半に色んな文豪の作品が抜粋されて紹介されていたのですが、たしかにどれもワードセンスがすばらしいなという作品ばかりでした。ちょっと普通の人には思いつかないだろうなというものばかりで、ものすごく訓練して身に着けた文章力なのだろうなと感じました。プロの中の一流の人たちはすごいなと。

ちなみに私のSNSはまったく「いいね!」を集められていません。当たり障りのないことしか書いていないです。実名ですべてオープンに書いていますけど、基本何でも好きなので、楽しかったです美味しかったですという内容になってしまうのですよね。小学生の感想文みたいな。まぁでもそれがマネタイズのコツです。