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漫画『BLUE GIANT』感想

漫画『BLUE GIANT』感想

 

 

最近映画化されているらしい漫画BLUE GIANT。ずっと前に購入していたのですが、最近ようやく読みました。読んでみたらめちゃめちゃおもしろかったです。熱くて、泣けた。

無印のBLUE GIANTと、ヨーロッパ編のBLUE GIANT SUPREMEと、アメリカ編のBLUE GIANT EXPLORERがあって、アメリカ編は今も連載中のようです。

というわけで、BLUE GIANT EXPLORER 最新8巻までネタバレで語ります。

無印のBLUE GIANTは、めちゃめちゃおもしろかったです。泣けるポイントがかなりありました。ひたすら熱かった。主人公のキャラクターもとても好感を持てますし、主人公が音楽的に成長していくことに対する説得力がすごかったです。これは世界で活躍する人間になるだろうなぁという納得感がありました。大晦日に雪が降る中で年が明けるまで練習を続けるシーンとか、熱かったですね。

漫画の演出もとてもうまかったと思います。音楽のすごさを演者の動きや観客の表情などで表現していて、それもいろんな演出パターンがあって、漫画にこんな表現方法があったのかと驚きながら読めました。

無印の日本編の次のヨーロッパ編とアメリカ編は、正直ちょっと勢いが落ちてきたなぁと感じています。理由ははっきりしていて、ヨーロッパ編とアメリカ編は、沢辺くんがいない。これに尽きると思います。ヨーロッパ編での沢辺くんみたいなキャラもアメリカ編での沢辺くんみたいなキャラも出てくるのですが、キャラクターが弱すぎる。沢辺くんは第二の主人公になり得たキャラだと思いますが、ヨーロッパ編やアメリカ編の沢辺くんポジションのキャラはすべて完全に脇役でした。

無印の最後で沢辺くんが事故にあったときは、作者は物語を投げ出したのかなと思いました。打ち切られたのかなと。それくらいの唐突さを感じました。しかもそれから一度も出てこないという。

ストーリー的な部分でも、ヨーロッパ編以降は主人公が世界一のプレイヤーになっていく過程ということで、ちょっとワンパターンになってしまっているのですよね。どの街に行っても主人公がサックスを吹いて周りが感動して、それでちょっと主人公が成長して、という流れで。ここでこう来るかぁみたいな展開が無くなってしまっています。たぶんここから最終回まで大きなサプライズもなくこのまま続いていくのかなぁと思います。好きな人からするとこれはこれでドキュメンタリー映画を見ている感覚で読めてとても良いみたいですが。