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浅倉秋成『フラッガーの方程式』ネタバレ感想

浅倉秋成『フラッガーの方程式』角川文庫 2021年4月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

『教室がひとりになるまで』がとてもおもしろかったので、同じ作者の作品を買いあさってしまいました。そのうちの1冊、フラッガーの方程式。寝る前に少しずつ読み進めていましたが、後半は一気読みでした。めちゃめちゃおもしろかったです。

正直、前半部分はいまいちノリになじめないというか、あんまりおもしろくなかったと思います。話の内容というか台詞のやり取りというか文体というか…。飛ばし読みしていた部分もありましたし。深夜アニメを私がまったく知らないせいかと思います。でもたまに深夜アニメの展開やお約束についての解説やツッコミが入るのはおもしろかったですね。

後半、佐藤佳子さんパートに入ってからはおもしろくって、最後は一気読みでした。今までの伏線がすべて回収されていく流れは感動でした。主人公は無病息災というのも、そういえばそんな話があったなぁみたいな感じで。終盤の、死亡フラグがたってそれを回避していく流れは、とても熱かったですね。良かったです。

フラッガーシステムというのもなかなかおもしろい設定だったと思います。序盤は何でもありすぎておもしろくないんじゃ…という感じと、行動を変えられる周りの人たちがかわいそうすぎて素直に物語に入れないという感じがしていましたけど、最終的にはバランスよく終わった感じでした。

終わり方も、程よくちょうどいい感じだったと思います。いい終わり方でした。そのあとの「注解」というページもなかなかおもしろかったです。なるほどぉ~って感じで読めました。

やっぱりこの作者の作品はおもしろいですね。他の作品も一通り読んでいこうと思います。