読んだ本の感想など

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朝日新書『マッチング・アプリ症候群』感想

速水由紀子『マッチング・アプリ症候群 婚活沼に棲む人々』朝日新書 2023年6月刊

 

 

マッチングアプリの体験報告本。おそらく40代女性である筆者が200人くらいとマッチングした中で感じたことや出会った男性陣について書かれた本でした。200人と出会って結婚できてなくて彼氏もできてないっぽいオチで、なかなか地獄だなぁと思いました。でも結婚の気持ちが消えて楽になったという前向きな結論で、さわやかな終わり方でした。10年以内に半数以上がマッチングアプリで結婚するだろうという結論でしたが、そんな時代になるのでしょうか。マッチングアプリすごいですね。

男性陣に対するダメ出しが延々と語られた本でした。いきなり体の関係を要求してくる男性やプロフィールで嘘をついている男性やコミュニケーションが変な男性などなど。あとは独身者のふりをした既婚者など。なかなか地獄だなぁと思います。こんな感じの中から信頼できる相手をうまく見つけて結婚するというのは、とてもハードルが高そうに見えます。ほんとに半数以上の人がアプリで結婚していく時代になっていくのでしょうか。コミュ力か忍耐力か洞察力か、何かそういう特別な力が要求されそうに思えますが…。

ちなみに私はマッチングアプリを一度も使ったことがありません。独身のときは紹介や合コンで色んな女性とデートして、結局その中の誰とも結婚せずに、偶然出会った妻と気が合ってスピード婚しました。紹介は税理士会関係や保険会社の人からとか、あとは顧問先や、親戚からの紹介もありました。この本の筆者のように200人とまではいかなかったですけど、結構多くの女性とデートしてきました。それでもこの本のようにダメ出ししたくなるような相手は一人もいなかったです。危ない目にあったこともなかったですし、面倒なこともなかったですし、すべてのデートが楽しかったです。この辺は男女の差かなと思います。色んな女性がいて色んな仕事があって色んな価値観があって、いつも楽しかった。色んな人生がありました。楽しかったので結婚相手が見つからなかったら一生独身でもいいかなとも思っていました。

マッチングアプリが匿名というのは知らなかったですね。私はTwitterでも何でも本名でぶっちゃける派なので、さすがにマッチングアプリは向いてないかもしれないですね。自己紹介も「独身です。相手を探してます」くらいしか書くこと無いタイプですし。紹介だと紹介者が勝手に伝えてくれるのでそれだけで十分なわけですけど。でもこの本の中で書かれていた「マッチングアプリは世間の目がないのが利点」というのは、なるほどと思いました。紹介は楽ですけど紹介者に対して気を使うことが多いですもんね。いつどこでどういうデートしたとかが全部伝わったりしますし。

ずるずる続けてしまう現象が「婚活沼」という単語で表現されていましたけど、これはありそうですね。いい人と出会えなければずっと婚活が続くわけですもんね。私も今も独身で婚活してた可能性は普通にあると思います。運よく結婚できましたけど。