読んだ本の感想など

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小学館新書『「居場所がない」人たち』感想

荒川和久『「居場所がない」人たち 超ソロ社会における幸福のコミュニティ論』小学館新書 2023年3月刊

 

 

独身が多い現代社会の中の独身の人たちについて述べられた本。まず最初の1章の部分で色々なデータが紹介されていて、結婚した人は2人産むけど結婚しない人が多くなったから出生率が低下していることなど、どれも聞いたことがあるような意見で、もしかすると私はこの著者の本を過去に読んだことがあったのかなという感じでした。既視感がありました。

現実的にこれから子供はどんどん減っていって人口も減っていくのだろうと思います。それに対応しないといけないというのはその通りだと思います。独身も今後も多いでしょうし、ソロ社会と言える状況になっていくだろうと思います。私は普通に結婚して子供を作ってしまったので今のところソロとは無縁なのですが。でもずっと独身の可能性もあったなぁと思いますし、ずっと独身だったらだったで世の中の独身の男女と一緒に飲んだりしながら楽しく過ごしていたのかなぁと思います。

ただ、この前独身の友人と飲んできたのですけど、その独身の友人が最近はまっていたものとして「ぼっちざろっく」というアニメを紹介してきて、私も名前は知っていたのでどんなものか見てみたのですけど、びっくりするくらいはまれませんでした。これは寂しい独身男性向けのエンターテイメントだなーという感じで。もし私が独身だったらはまれたのかもしれませんが…。ただ、これはつまり世の中に独身男性向けのエンターテイメントは次々と生まれてくるので独身男性でも寂しくないということなのかもしれないですね。ちなみに私は下北沢が舞台の人気アニメということで名前を知っていたのですけど、全然下北沢っぽくなかったです。人がいなすぎて。見ていて違和感があったので、実は叙述トリック的なオチが用意されていて作中で下北沢と言われていたのはすべて上北沢のことで作中で女性キャラの絵で描かれていたのはすべて男性でしたというような結末なのかもしれませんけど。途中までしか見ていないのでオチがわかりませんけど。

この本の中の、友だちもいなくて趣味のない高齢男性は仕事を続けるべきという意見はなかなか納得感がありました。フルタイムの会社員じゃなくても、何かの仕事を。それが一番安定しそうですよね。

あとは、コミュニティに所属するのではなく趣味や仕事などで接続するコミュニティがあるのが良いという意見も、おもしろいと思いました。これからも独身の多い社会が続くでしょうから、独身の人たちが寂しくないような、あるいは寂しくても肯定されるような?そういうものが色々とあると良いのだろうなぁと思います。