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映画「君たちはどう生きるか」感想

映画「君たちはどう生きるか」感想

 

公式サイト 無し?(たぶん)

 

仕事も落ち着いたので、久しぶりに映画を見に行きました。平日昼間に吉祥寺オデオンで。何の映画でも良かったのですが、ちょうど「君たちはどう生きるか」が公開初日だったので、これを選びました。原作の小説は未読で、漫画版の方をちょっとだけ読んだことがあるだけでした。でも内容はとても良さげで、いつか読みたいなとぼんやり思っていました。ということで、映画化されたということで期待して見に行きました。

ここからネタバレで語ります。

君たちはどう生きるか」は一切関係のない物語でしたね。タイトルだけ同じで。そもそも原作ではないのかもしれません。偶然同じタイトルになったとかそういう話なのですかね。コペル君の物語を見に来たつもりだったので、これはかなり衝撃でした。本当にびっくりしました。

正直、おもしろいかおもしろくないかで言うと、おもしろくなかったです。子どもがわくわくするようなシチュエーションを詰め合わせた作品というのはわかったのですが、さすがにストーリーが雑すぎるというか適当すぎるというか。ティップネスで運動して新時代で飲んだあとに観に行ったせいもあって、割と寝てしまいました。途中でトイレに行ったときも、おもしろい映画だと早く戻らなくてはと思うのですけど、これは一切思いませんでした。上映中に清掃が入っていて綺麗だなーとか思いながらのんびりトイレして帰りました。

大人がちょっとキモく描かれているのが気になりましたけど、それはこの監督の作風なのでしょうか。妻が亡くなったあとにその妹と子供を作る父親とか、現代の感覚だとちょっとキモいですよね。おそらくあえてキモく描いているのだろうなとは思いますけど。父親が息子のことをまったくわかっていない感じとかも、子供は純粋で賢いけど大人は欲まみれでお馬鹿という世界観なのだろうなと思いました。昭和的な世界観というか。

子ども視点だとわくわくしそうなシーンは多かったですよね。古い塔へ入ってみて狭い階段を登ろうとしたら大人に見つかって家に帰らされるシーンとか、子どもが最高に心揺さぶられそうなシチュエーションだなぁと思いました。そういうところはとても良かったと思います。大人が子供のことをまったくわかってくれないという世界観も、子ども視点だと良い設定なのかもしれないですね。周りの大人たちはキモいけれど受け入れたり反発したりしながらがんばって生きていかないといけないというストーリーで、子どもへのエールになっているのは好感が持てました。

観ていて一番違和感があったのは、やっぱり声ですね。これは他の映画でもあったので映画業界の全体の問題なのかもしれませんが、作中のキャラクターの年齢と声の年齢がまったく合っていなかったです。主人公が子供なのに、声が明らかに30代くらいという。これはかなり不気味でした。なんか芸能人を起用しているとからしいので、スポンサーの絡みとかで仕方ないのかもしれませんけど、作品の質を落としているのは間違いないですよね。子供と大人の対比が多く描かれている作品ですし主人公が子供であるということが重要な意味を持つ映画なのだろうと思うのですが、なぜ声がこんなしっかりした大人になってしまったのか。

でも初日だったせいか満席でした。この日の全部の回が満席だったみたいです。すごいですね。正直そこまでの作品とは思えなかったのですが…。子どもが見たらめちゃめちゃおもしろいのかな。ちなみに客層はとても若くて(といっても20代30代くらい)男女比は半々くらいでした。