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鴨崎暖炉『密室黄金時代の殺人』ネタバレ感想

鴨崎暖炉『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』宝島社文庫 2022年2月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

吉祥寺アトレ2階の本屋で買いました。寝る前に少しずつ読み進めて、1週間くらいで読破しました。

最初はキャラクターの会話のノリにまったく馴染めなかったのですけど、最後の方は割と普通に読めました。慣れたというか。登場人物がどんどん死んでいって変な感じの会話劇が少なくなっていったからかもしれません。

完全にフィクションに振り切った設定で、序盤からずっと作者が「これはフィクションですよ」「こういうファンタジー世界観ですよ」と主張し続けているような作品でしたけど、そういうのは嫌いじゃなかったです。密室殺人が日本中で常におこなわれている世界観という。殺人に対する軽さとか。人を殺して「さて、では密室を作りますか」と言う犯人とか。おもしろかったです。密室以外のことは些細なことだから犯人は教える、とか。「すべてを密室に捧げなさい」とかパワーワードだなぁと思いながら読みました。すべてを密室に捧げないと密室の謎は解けない。

ここからネタバレで語ります。

密室の謎解きについては、1個目の「ドアを開けたタイミングで鍵が室内に滑り込んでいく」は結構わくわくしましたけど、2個目以降はあんまり…という感想でした。でも最後の扉を交換するのはおもしろかったですね。予想できなかったです。めちゃめちゃ無理があるオチでしたけど。1人で扉を抱えて階段を昇り降りして運んで交換するとか。作中の密室殺人のパターン分類でいうと「⑨合鍵を使う」に含まれそうな気もしますけど、扉を交換して「鍵を増やした(室内の鍵を合鍵にした)」というような感じですからまたちょっと違うのかな。

こういうトリック全開のミステリも、なかなかおもしろかったと思います。仕事も落ち着きましたし、これから色々と小説を読んでいこうと思います。