読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

日経プレミア『就職氷河期世代の行く先』感想

下田裕介『就職氷河期世代の行く先』日経プレミアシリーズ 2020年11月刊

 

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新幹線で読むために駅の本屋で購入しました。就職氷河期世代、ロストジェネレーション世代とも言われているようですが、たぶん私もちょうどその世代です。大学生のときに就職活動がとても大変だった世代で、就職が決まらなくてアルバイト(フリーター)になる人とか、就職が決まらなくて1年浪人して就活するというような人も周りに普通にいました。アルバイトしながら正社員登用を目指すみたいな話とかも、当時よく聞きました。実際に正社員になれたのかどうかはわかりませんが…。そういえば派遣社員になるというケースはあまり聞かなかった気がしますので、就職氷河期の当時は派遣社員というシステムはまだなかったのかもしれませんね。

というわけで、就職氷河期世代は非正規や低賃金などで大変だから救わないといけないという内容の本ですね。これは、まぁその通りだなぁと思います。非正規や低賃金だと結婚や子育てもしづらいですから、このあたりを国の政策としてフォローして次の世代へ続いていけるような国にすべきと思います。今からだともう間に合わないという大きな問題点があるかもしれませんが…。老人の医療費などへ税収を投入するよりも優先度は高かったですよね。

ちょっと前のニュースで、就職氷河期世代の人向けにどこかの市が公務員の募集をしたら数人の枠にめちゃめちゃ応募があって超狭き門になってしまったというのを見て、ものすごく就職氷河期って感じだなぁと思いました。新卒就職のときも狭き門だったのに救済措置を受けるのも狭き門とは。

就職氷河期の非正規の人を正社員にするのも大事だけど非正規と正規の待遇差をなくすのも大事という意見については、とてもその通りだと思いました。待遇差がなければ非正規で問題ないという人も多いと思いますし。ブラック企業とかも国の政策として無くしていくべきですよね。非正規やブラック企業で大変だとしても自己責任ですーとか言っていたら良くないですね。

うちの事務所がアルバイトの時給2000円と言ったら人から驚かれることも多いのですけど、時給2000円って年収換算で400万台くらいなので、別にそこまで高くないのですよね。むしろ時給1000円とかが安いというか。

とりあえず、若い人たちが普通に働いて普通に結婚して普通に子育てできるくらいの国になっていってくれればいいなぁと思います。世代が一巡して50年後とか100年後とかになったらそういう国になってる可能性はありますかね。

SB新書『「節税」の超裏ワザ』感想

根本和彦『「節税」の超・裏ワザ』SB新書 2021年11月刊

 

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吉祥寺アトレの2階の本屋で購入しました。税金関係の新書も、本屋で見かけたらとりあえず買って読んでます。この本は税務署側の視点で税務調査について色々と語られている本で、なかなかおもしろかったです。

税務調査、この本でも語られていましたけど去年と今年はコロナのせいで全然なかったですね。うちの事務所でも3~5年間隔で税務調査があったところがまったくなかったりしています。もうコロナも終わりそうですし来年からは通常通りになるのですかね。

経費について書かれている部分は、結構踏み込んだ内容だなぁと思いました。自宅兼事務所なら8割経費にできる、とか。私も個人事業主で今は自宅兼事務所ですけど、5割しか経費にしていないですね。ちなみにマイクロ法人で社会保険料の節約とかも一切していないです。特にポリシーがあるわけでもなく、なんとなく国に納めておこうって感じです。杉並税務署にも杉並区役所にもいつもお世話になっていますし、そこから仕事増えたりもしていますし、稼いだ分の何割かを杉並区に返すのも妥当かなって感じに思ってます。

経費はグレーゾーンという内容についても、税理士的にも同感というか、確定申告の仕事をしていて経費について悩むことは正直あります。この本では「ストーリー」という言葉が使われていましたけど、まさにそういう感じで、理由を聞いて判断したりしていますね。個人的には何かAI的な判断基準で機械的に決まってくれた方がすっきりするのですけど。そういう経費判断的な仕事はAIにまかせて、どうやって売上を伸ばしていくか一緒に考えていくみたいな仕事をいっぱいしていきたいなぁと、ぼんやり思っています。ただ、そういう分野についてはプロではないので実際はなかなか難しいですね。税理士&ファイナンシャルプランナーの私がプロと言えるのは税金やお金についてくらいです。

最近はまた読書時間をいっぱい取れるようになって嬉しいです。年が明けたら忙しくなりそうなので、今のうちにいっぱい色んな本を読んで勉強しておこうと思います。

日経プレミア『日本酒テイスティング カップ酒の逆襲編』感想

北原康行『日本酒テイスティング カップ酒の逆襲編』日経プレミアシリーズ 2021年9月刊

 

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吉祥寺アトレ2階の本屋で見かけて購入。この本屋は日経の新書や文庫のコーナーがしっかりあるのが良いです。

日本酒についての新書。今は色々な銘柄がカップ酒になっているということで、カップ酒を中心に個別銘柄ごとに品評していく内容の本でした。カップ酒ってほとんど買ったことないですけど、たしかに普通に見かけますね。私の一番好きな日本酒が諏訪の舞姫酒造の桜楓というものなのですが、好きすぎて酒蔵まで買いに行ったときにカップ酒も置いてました。瓶のものと変わらないというか、瓶に詰めるかカップに詰めるかというだけの違いなのだろうと思います。

本の内容でいうと、東日本の日本酒は香りが強いものが多くて西日本の日本酒は味が強いものが多いということが書かれてましたけど、けっこう納得感はありました。秋田とか東北のお酒は華やかな香り&味のものが多い印象がありますね。

私の好きな日本酒は、やっぱり花浴陽、写楽、栄光冨士の華やかな香り&甘さの系統が一番なのですが、トータル的には黒龍が至高かなと思っています。これもメロン的な華やかな香りが好きって感じですけど。あとは而今、鍋島、伯楽星などなど、有名なものはだいたい美味しいって感じがします。伯楽星は本当に食中酒として超おいしいと思います。上善如水や雅山流如月みたいな水っぽい日本酒ともまた違う食中酒ですね。あと、十四代ももちろん超絶おいしいですね。置いてる店が無いですけど。

この本では、この日本酒にはこの料理が合うというようなペアリングについても書かれていたのが新鮮でした。ペアリングについて私はまったく気にしたことがなかったですね。ワインのマリアージュについても、正直わかるようなわからないような…という感じです。単体で普通な味のワインがチーズと合わせたら超おいしくなったみたいなのは経験ありますけど、あまり日本酒ではそういう経験はなかったかもしれません。

日本酒って本当に色々な種類があって、この本の中でも、後半はスパークリング日本酒、生酛・山廃、熟成酒などが紹介されていましたけど、このあたりは私はほぼ飲まないです。熟成については、日本酒の10年物や20年物が美味しくなるイメージはまったくないですね…。ワインやウイスキーならわかりますけど。

これからも色々な日本酒を飲んでいきたいですね。コロナ前は日本酒の持ち寄り会に参加して日本酒に詳しくなったり日本酒友達ができたりしていたのですが、コロナ禍になってから持ち寄り会も日本酒フェス的なイベントもすっかりなくなってしまって寂しいです。でもこれからまた開催されていくのかな。また開催されたら、色々と行ってみたいと思っています。