読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

新川帆立『元彼の遺言状』ネタバレ感想

新川帆立『元彼の遺言状』宝島社文庫 2021年10月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

久しぶりの小説感想になりました。緊急事態宣言が明けて夜は外で飲むことが増えて、というか週6日くらい飲んでいて、夜寝る前に小説を読む時間が一気に減ってしまいました。この本も、読破までに2~3週間かかっていたと思います。おもしろさで言ったらめちゃめちゃおもしろかったです。最初の数ページからおもしろくて、どういうオチになるのか気になって、最後までそのままおもしろかったです。すごい良い小説でした。2~3週間かかってしまったので思い返しながら読むって感じにはなりましたけど…。

主人公の弁護士のキャラクターがとても良かったですね。ズレているけど好感は持てる感じで。良い主人公でした。主人公はズレたことを言うけど周りの登場人物はまともな意見を言うというシーンが多くて、読んでいて安心感がありました。結果として主人公のキャラが際立つという流れ、嫌いじゃなかったです。

ゆっくり読み進めていたせいか、キャラクラーの兄弟関係とか叔父叔母関係とかが混乱してしまうことが多かったです。最初の方のページの相関図をちらちら見ながら読むって感じでした。

遺言が結局どういうオチで終わるのか、まったく予測できませんでした。国庫に帰属させるためというオチも正直よくわからないというか、でも死ぬことがわかっていたオチについては、まぁなるほどそれしかないかぁという感じはありました。納得感はありました。

久しぶりにおもしろい小説を読んだなぁという感じです。2作目が出ているみたいですけど、文庫化されたら買ってみたいですね。全然知らない作者でしたけど、次回作以降も超期待です。楽しみです。

扶桑社新書『なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか?』感想

中野雅至『なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか?』扶桑社新書 2021年9月刊

 

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吉祥寺アトレのブックファーストで購入しました。緊急事態宣言が明けてから夜は飲むことが多くなって、読書の時間が少し減っていました。もっともっと本を読んでいかなくては。でもこの本は内容とても興味深くて読みやすくて、割と一気読みに近かったです。やっぱり読書って楽しいし、有意義。

著者は大学の先生の方のようで、現代の大学生の行動や考え方についてリアル感ある内容だなぁと思いながら読めました。スキルを身につけたいと思っていることとか、ブラックを嫌がる感覚とか、納得感ありました。複業とか独立とか転職とかそういうニュースや事例をよく聞きますし。たぶん今の大学生って自分がこの先どういう社会人生活を送っていくのか自分で想像できないですよね。1つの会社で定年までって人もいるとは思いますけど…。

あとは大学の授業の話や、ゼミの進め方の話なども、興味深かったです。ゼミ生が仲良くなれるようにという配慮はとても良いですね。私が大学生のときのゼミはそういう進め方は無かったように思います。私はゼミで友人が作れなかったら地獄だなぁと思って友人と2人で同じゼミに入った感じでした。結果的にはみんなと仲良くなれてましたけど一人だったら孤立してたかもですね。地獄を回避できて良かったですね。

そういえば私の事務所の従業員も20代と30代前半なので、若者なのですよね。あまり若者だからということで考えてはこなかったですけど…。でもスキルが身に付くように、もし将来他の税理士事務所や他の企業で勤めることがあったとしてもプラスになるように、というような意識でいつも仕事をお願いしています。勉強になるような仕事というか、新しさのある仕事というか。私自身も勉強したり新しいこと始めたりするのが好きですし。最近だとコワーキングスペースを調べてもらって所長の私をアテンドして渋谷と表参道の街を1日かけてまわるという仕事をお願いしたりしました。若者だけあって(?)気配りしながら段取りしてくれて、うまいアテンドでしたね。

うちの事務所も、人を募集したときに来てもらえて、満足感を持って働いてくれるような職場にしていきたいですね。読みやすくて、内容どれも納得感あって、良い本でした。

漫画『呪術廻戦』ネタバレ感想

漫画『呪術廻戦』ネタバレ感想

 

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今さらながら漫画の『呪術廻戦』を全巻読みました。ワクチン接種のあとの予定入れていなかった期間に最新16巻まで、0巻も含めて、一気読みでした。

漫画って、2020年が過去最高の売上規模だったのですよね。ニュースで知ってちょっとびっくりしました。業界の規模が一時期下がっていたのが年々上がってきて、ついに歴代最高の売上高になったとか。私が子どものころ少年ジャンプがものすごく売れていて、ドラゴンボールのときに発行部数が何百万部とかいう時代だったと思いますけど、まさかあれを超えるくらいに漫画が売れる時代が来るとは、まったく想像つきませんでした。むしろ衰退産業なのかなくらいに思っていました。実際10年くらい前は衰退しかけていたのかもしれませんが。

そんなわけで少年ジャンプの呪術廻戦。ちょっと前に出張先のホテルで漫画図書館みたいなスペースがあって、そこで4巻くらいまで読んでおもしろかったので、電子版で一気買いしていました。最初は少年ジャンプっぽくない漫画だなぁと思っていましたけど中盤からはまさに少年ジャンプって感じだったと思います。

キャラクターが多くて、描かれていない部分までキャラクター間の繋がりや設定が細かく決まってそうな感じがとてもおもしろかったです。わくわくしながら読めました。強キャラとして名前が上がるのに出てこないキャラとか。過去にこういう出来事があってこの家がこうなっているとか、色々と設定がありそうなのが想像できる感じ。良いですね。

五条先生がさすがに最強すぎてストーリー的におもしろくないなぁと思っていたのですけど、中盤でしっかり封印されて物語から退場していきましたね。バトルに参加させたらストーリーが崩壊してしまうレベルですもんね。

バトルシーンについては、術式反転とかその辺の仕組みはいまいちわからなかったです。呪霊とか呪骸とかも、わかるようなわからないような…という感じで。スタンドバトル的な世界観ではなく、人間vs妖怪みたいな世界観ということですかね。その割にはバトルが完全に能力バトルで、位置を入れ替えるとか、ダメージがあべこべになるとか、そこらへん世界観が崩壊しているようにも思えます。めちゃめちゃ少年ジャンプっぽい感じではありますけども。ハンターハンターっぽい感じというか。でもバトルシーンは半分くらいに縮めて、その分ストーリーを進めてほしいなって思いますよね。ワンピースとかにも本当に思いますけど。

なんか、学生とか若い世代に最強クラスがかたまりすぎてる気がして、御三家とかどうなっているのだろうって思ってしまいます。たぶん設定は決まっているのでしょうけど。強い呪術師は五条先生が生まれてからどんどん生まれてきたという感じなのかな。

渋谷の街がそのままリアルに描かれていたのは、ちょっとわくわくしました。リアルな社会は普通にあってその社会の裏側で呪術師たちの戦いがあるという感じの世界観で、なかなか良いですね。渋谷ヒカリエとか井の頭線アベニュー口とか、全部そのまま名称が使われていて良かったです。でも新宿だけ新宿ボールペン街?みたいな名称になっていたのは何でだろう。