読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

志駕 晃『ちょっと一杯のはずだったのに』ネタバレ感想

志駕晃『ちょっと一杯のはずだったのに』宝島社文庫 2018年6月刊

 

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 ※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

本屋の新刊コーナーで見かけて購入しました。同じ作者の前作の『スマホを落としただけなのに』も読んだことはありまして、そっちもなかなかおもしろかったですけど「さすがに主人公が下衆すぎん…?」という嫌悪感がありました。それと比べると今作の登場人物はまともな感じになっていて、読みやすかったです。

寝る前に読んで、2~3日くらいで読破でした。すいすい読めました。自分が殺人犯に仕立て上げられるという展開はベタですけどはらはらどきどきで緊張感ありますね。泥酔して覚えていない間に…というのもおもしろかったです。

あとは、殺された西園寺沙也加というキャラクターと、姉妹という設定もなかなかおもしろかったです。密室トリックは「うーんわかるようなわからないような…」って感じでしたけど、音声をつなぎ合わせて会話を作るところは「おお~~」と思いました。自然に聞こえるようにこの部分とこの部分をつなぎ合わせて…というところはリアル感ありましたね。

全然関係ないですけど、読んでもブログに感想を書いていない本って実はかなりあるのですよね。長々と感想を書くほどでもないし…みたいな。この小説もブログに載せずにスルーでも良かったのですけど、短くなってもいいから何か感想を書いておく、ぐらいでもいいのかなとも思いました。せっかく読んだわけだし。長く感想を書けそうならブログに載せるという考えだと、時間がとれるときしかブログを更新できなくなりますし、そこまで気合いを入れずにささっと書いてささっと更新する、くらいの感覚でもいいのかもしれない。

映画『万引き家族』感想

映画『万引き家族』公式サイト

http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

 

今日、渋谷のTOHOシネマズで観てきました。突発的に。17時40分の回で。割と広いスクリーンでしたけど、満席になっていました。そして客層が8割女子で、かなりびっくりしました。もっとおっさん寄りの映画かと勝手に思ってました。水曜日でレディースデー?だからかな? 

中盤で結構泣けて、終盤の警察官との面談シーンも(ファンタジーっぽさがすごかったですけど)演技上手くて感動できて、なかなか良い映画だったなぁという感想です。しかし映画館的には、終わったあとかなりしらけた空気がただよっていました。映画のあとの映画館がこんな空気になってるのは初めて体験したかもしれません。私は基本的に評判になっている映画しか観に行かないので、そうするとだいたいおもしろいのですよね。この「万引き家族」も今の上映ランキング1位でしたし。

上映後の映画館の空気について。まずスタッフロールになった瞬間に結構な人数が座席を立ち上がる。「え、どういうこと?」とこそこそ話す声まで聞こえる。そしてスタッフロール流れてる間にも周りがどんどん立ちあがって出口へ向かう。そして、帰り際の周りの女子たちの感想が「最後なに…?」とか「よくわからなかったねー」とかそういうのばかりという。この空気はすごかったですね。上映ランキング1位の映画で上映後にこういう空気になるのってめずらしいんじゃないでしょうか。

映画の内容は、私はなかなか泣ける内容で良い映画だったと思います。全員が本当の家族ではなかったというオチはおもしろかったです。あの家はおばあさんの持ち家だったということですかね。おばあさんが死んだあとの会話の流れを考えると賃貸暮らしではなさそうでしたし。墨田区花火大会が見える場所の一軒家って、リアルだとむしろ勝ち組感ありますけど…。バスで「南千住」という地名が出ていたり「松戸のパチンコ」「習志野ナンバー」という単語が出てきてましたから、舞台は千葉県なのかな。ファンタジー世界の日本国千葉県って感じですかね。時代設定も、過去なのか現代なのかよくわからない感じになってましたね。全体的には過去っぽい雰囲気でしたけどスマホが出てきたり…。むしろあのスマホだけが謎と言えるのかもしれない。「これってワンチャン現代が舞台なのかな?」と視聴者に思わせるための描写だったのでしょうか。

結構泣けるシーンが多くって、リンが祥太くんを玄関で待っているシーン、そのあと舞台が夏になって「お兄ちゃん!」と大きな声で呼ぶシーン、アキが風俗の客の手をにぎるシーン、あとは母親役の人が警察官に「なんでだろね」と言うシーン、この辺は全部泣けました。というかリンの描写はだいたい泣けましたね。幸せになってくれーって感じで。

全体的な映画の感想で言うと、私も、映画館の客の人たちとまったく同じ「よくわからなかったねー」って感じでした。舞台設定がファンタジーすぎるのと、描写がベタすぎるのと、物語にひねりがまったくないまま終わってしまったのが、きつかったです。ベタベタな描写ばかり続く理由が「よくわからなかったねー」というか。そんな感じでした。10年くらい前の作品を観たという印象でした。なんか海外で賞をとったというニュースがあったせいで私が勝手に期待しすぎてしまったのかもしれません。現代日本人の私からするとベタすぎでも海外の視聴者層からすると新鮮とかそういう感じだったのでしょうか。

演技は全体的にめちゃめちゃ上手くてすごかったと思います。父親役の人も母親役の人もすごかった。特に母親役の人が警察官と話すシーンで、警察官のズレた発言に対して「はぁ~」って感じのあきれつつ怒りつつため息みたいな顔の表情、ガチの神演技だったと思います。やばかった。リン役の子も上手い演技でしたね。序盤のめっちゃ幸薄そうでかわいそうな表情からの、中盤でお兄ちゃんと公園で遊ぶシーンの楽しそうな表情、この落差で泣けました。

「バチェラー・ジャパン2」9話&最終話直前回まで感想

Amazon prime ビデオの「バチェラー・ジャパン シーズン2」の感想です。

全10話のうち9話までと最終回直前スペシャルの回まで、一気に視聴しました。見てみたらおもしろくって、どんどん続きを見てしまった。ちょうど来週が最終回ということで、いいタイミングで視聴できました。

 

「バチェラー・ジャパン シーズン2」

https://www.amazon.co.jp/dp/B07888JZZP/

 

軽い気持ちで見始めたら想像以上におもしろくって最新話まで見てしまったのですが、途中までは結構しっかり見ていて、推しの人たちがどんどん退場していってからは飛ばし飛ばしで見ていく感じでした。

 

※エピソード9&最終回直前トークスペシャルまでのネタバレで語ります。

 

私の推しは右手さん、あんきらさん、岡田さん、あとはビジュアルでいうと桃田さんのおしゃれな髪形と猫っぽい顔立ちがすごい好きだったのですけど、中盤で見事に全員いなくなってしまいましたね…。でもバチェラーの選択に毎回とても納得感があって、自分でもそうだろうなぁって感じの選び方をしているので、しゃあない…って感じで見れました。そういう編集になっていたのかもしれませんけど。視聴者が納得感を得られるような。

バチェラーの選択で自分だったら違うなぁって思ったのは、あずあずさん最後の方まで残しすぎ…ってところくらいですかね。自分だったらあずあずさんじゃなくて桃田さん残してたかなってくらい。あとは本当にどれも「そりゃそうだよなぁ」って感じでした。それくらい納得感がすごかったです。全体的にバチェラーの好感度がとても高かったですよね。めっちゃまともで。

あんきらさんなんかは推せるビジュアルでしたけど結婚相手としては無いですよねって感じなので(そもそも年齢が若すぎる)選ばれなかったのも納得でしたし、右手さんも岡田さんもトークがうまく続かなそうなので途中退場に納得感はありました。でもあんきらさんは、退場前の最後の2人のときに「長くハグしていいですか」とか超絶どうでもいいことをしていたりでトークができないタイプの人という印象で見ていたのですけど、最終回直前スペシャルの回ではすごい上手くひな壇トークしていましたね。普通に頭の回転がはやくておもしろいこと言える人って感じで、意外な感じがしました。あと、あんきらさんは海の撮影回で肌が日焼けして真っ赤になってたのがかわいそうだった。

あんきらさんと岡田さんのツーオンワンデートの回は、正直見ていてどっちも落とすだろうなぁって感じでした。ビジュアル的にはどちらも推せましたけど、トークの薄さが結婚相手としてはきついだろうなぁと。バチェラー的にはとりあえず否定意見を言ってきた岡田さんを先に落としとこうって感じだったのでしょう。別に話がおもしろく続いていくなら否定意見でも何でもおっけーだったでしょうけど、上手くフォローするわけでもなく、ただバチェラーを否定するだけの会話になってしまってましたしね。もしかしたらカットされた部分でもっと会話があったかもしれませんけど…。

あとは、毎回のAKBの人とお笑いの人たちの感想トークについて、キャラを演じたり計算でふるまっている人のことを「あれは計算ですよー」とか性格悪いみたいに否定的に言う流れは、ちょっと謎だったかな。計算でふるまうのと性格の良し悪しは別物ですよね。私も仕事中はほぼ計算でふるまってますよ。当然です。というか前提です。でもこの感想トーク自体は毎回とてもおもしろいです。両隣の二人が毎回少しズレた意見を言い合う流れが楽しいですね。

来週が最終回ですけど、正直、最後に残った小口さんと倉田さんの2人はそれほど推してなかったので私の中で何とも盛り上がりに欠けてしまったというか…。本当に結婚するなら親が反対した倉田さんは選べないから小口さんしかないでしょうけど、これって本当に結婚するのですかね。本当に結婚するなら桃田さんでよくない?って思いますけど(まだ言う。) というか父親の人のインタビューで「片親育ちは減点要素」みたいな発言があって、このポリコレにうるさい時代によくこんなの放映したなぁって思いましたよね。普通ならカットでしょ。でもさすがに、テレビ局もアウトとわかっていてあえて放映しているに違いないという視点でいうと、ここをカットしないということは…ってことなのかな。なんかニュースでシーズン1のバチェラーの人は別に結婚してないって見ましたし(破局済だったというニュースになっていた)、それで言うならって感じで、親が反対した倉田さんを自分の意思で選んだ主人公ってことで綺麗な終わり方になる、ということかもしれませんね。その場合はリアルで結婚はできないかもしれませんけど、まぁテレビ番組ですし。

それか、若様が「自信家キャラを作ってきたけど他人と結婚し共生していくならそういうのはよくないと思った」と5~6話くらいで気づいて周りへの態度を修正して最終的にバチェラーと結婚するという流れだったなら、とてもハッピーエンド感があったかもしれない