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住野よる『また、同じ夢を見ていた』ネタバレ感想

住野よる『また、同じ夢を見ていた』双葉文庫 2018年7月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

『君の膵臓をたべたい』の作者の2作目。これもめちゃめちゃ泣けました。君の膵臓~もかなり泣けたのですけど、それと同レベルで号泣できました。しかも、君の膵臓~は女の子が病気で死ぬ話なので、もうそれだけで泣けるだろっていうちょっと反則な感じなのですけど、今作はそういうのではなく普通に感動で泣かせる系の物語でした。私は割と素直に泣けるタイプではありますけど、それでもここまで泣けたのは久しぶりでした。『スロウハイツの神様』最終章を10とすると7~8くらいは泣けました。

今も「また、同じ夢を見ていた」という言葉を見るだけでちょっと泣けます。というか、読み終わった次の日に終盤部分を読み返して、そこでまた泣けました。すごいですね。2作中2作で号泣できる作家ってすごい。今後この作者の小説は全部買っていこうかなってぐらいの気持ちです。

主人公のなっちゃんのキャラクターがとても好感持てました。真っ直ぐで良い子だけどこれは確かに嫌われそうだなぁという性格で。南さん、アバズレさん、おばあちゃんとの触れ合いの中でしっかり成長していく感じ。最後、導いてくれた人達のおかげで幸せなまま大人になることができましたという展開は、本当に感動でした。

南さん、アバズレさん、おばあちゃんが主人公の将来の姿だというのは南さんがいなくなったシーンで初めて気づきました。なるほどそういう物語構成かぁと。南さんとアバズレさんはどちらも死のうとしたところで主人公と出会って、主人公と話していくことで救われるという展開で、そこもまた良かったです。主人公が導かれるだけでなく、主人公もまた相手を幸せにするという。

文章の描写がとてもうまくて、それで泣けたという部分もかなりあったと思います。桐生くんの家での会話シーンとか。桐生くんが扉を開けて風が吹いて紙が舞うシーンとか、一緒に学校に行こうのあとの新しくこの世界にその色は生まれた~のシーンとか。あとはやっぱり、最後におばあちゃんの家を出るところの、猫とのシーンですね。彼女の声は私に大事な話があると言っていました、のシーン。このあとの風で振り返ったら原っぱになってるシーンまで、めちゃめちゃ泣けました。描写がストレートで、映像が思い浮かびますよね。

あと、やっぱり「また、同じ夢を見てた」「また、同じ夢を見ていた」という文章が出てくると、おお~っと盛り上がりました。毎回この文章が出るとクライマックスが来た感がありましたね。最後ほんとうに幸せになって良かった。

人生とは、幸せとは、というテーマでずっと語られる作品なので、読後感がとても良かったです。読み終わったあと前向きな気持ちになれる作品でした。