読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

映画「ザ・ファブル」感想

映画「ザ・ファブル」公式サイト

http://the-fable-movie.jp/

 

すごい久しぶりの映画館になってしまいました。色々と観たい映画はあったのですけど。「賭ケグルイ」とか、結局見れないまま終わってしまいました。

ここ数ヶ月くらいで事務所の仕事が一気に増えて、それはそれでとても良いことなのですけど、映画館や美術館に行く機会が減ってしまいました。単発の相続税の仕事が何件も同時に入ったりしていた関係で。

ということで、相続税も一通り仕事が終わってきまして、そろそろ映画館や美術館に行きながら仕事をできるペースに戻ってきました。来週は美術館へもいくつか行こうと思っています。

それはいいとして。ファブルですね。映画の評判が良かったのでずっと観に行きたかったのです。公開期間も終わりに近づいてきた今ごろになって、ようやく行くことができました。評判の通りおもしろかったです。2時間があっという間でした。

ストーリーはかなりオリジナルになっていました。設定と序盤のいくつかのシーンだけ原作通りで、あとは8~9割くらいオリジナルだった印象ですね。原作もかなり昔に読んだだけなのでそんなに覚えていないですけど。映画版はバトルシーンがひたすら続く感じでした。でもそのバトルシーンが迫力あって、とても良かったです。特に最初にファブルが料亭の席でヤクザ?を皆殺しにするシーン、映像のテンポもよくて演出もかっこよくて、完全オリジナルシーンでしたけどかなりテンション上がりました。

後半の廃ビルでヤクザ軍団と戦うシーンは、迫力はありましたけどさすがに冗長感がありました。福士蒼汰くんかっこよかったけどなかなか死ななくて話が進まないし…。でもあの辺は完全にオリジナルキャラクター&オリジナルストーリーでしたので、展開が読めないわくわく感はありました。

最後、普通にミサキちゃんに正体がばれてる感じでしたけど、2時間で話を完結させることを考えたらああいう風になるのですかね。原作だとずっとばれないままだったと思いますけど。でも正体がばれたあとも仲良くやっていきそうなノリがあって、あれはあれでいい終わり方だったと思います。

俳優も雰囲気ある人が多くて、みんなうまくて良かったと思います。映像で見るとくどいシーンが多かったですけど。バーでテキーラを飲ませるシーンとかジャッカル富岡で爆笑するシーンとか、実写化するとどうしても変な感じになってしまいますね。というかその辺は漫画で読んでも白けるシーンだったかもしれない。

でも全体的にクオリティの高い映画だったと思います。評判いいのも納得で、何とか観に行くことができて、良かったです。もっと映画館行きたいですね~。

辻堂ゆめ『今、死ぬ夢を見ましたか』ネタバレ感想

辻堂ゆめ『今、死ぬ夢を見ましたか』宝島社文庫 2019年3月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

何日か前に読み終わっていました。吉祥寺キラリナ7階の本屋で購入して、寝る前に読む感じで4~5日くらいで読み終わったと思います。これは最初から最後までおもしろかったです。読んでいて続きとオチが気になりました。

詐欺グループが詐欺をしているのだろうなということは読んでいてかなり想像つきました。主人公の境遇がとてもかわいそうだったので最後は何か幸せなオチが待っていたらいいなと思いながら読んでいましたが…。

ネタバレで語ります。

紗世が死後の夢というのは、なるほどというオチでした。すべてが結びつく、なかなか綺麗なオチだったと思います。予想がつきそうなものですけど、作中で説明されるまであまり考えつきませんでした。

主人公のかわいそうな境遇が人生を上書きされた結果だったというオチも、なかなか悲しい感じでしたね。物語の構造としてはとてもうまいなぁと思いましたけど。

あと、作者の名前と同じ辻堂駅というのが作中で出てきて、何か意味があるのかと思ったりしましたけど、よくわからなかったですね。たまたまなのかな。もしかして作者的にものすごい気合いを入れた小説だったりするのかなぁとか、読んでいて考えました。満を持してここを舞台にした小説を書きました的な。それとも単にたまたま同じ名前の駅を見つけたから舞台にしましたって感じだったのですかね。

日部星花『偽りの私達』ネタバレ感想

日部星花『偽りの私達』宝島社文庫 2019年7月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

Twitterでいつも小説をおすすめしてもらってる人からいくつか教えてもらったうちの1冊です。今月出たばかりの新刊でした。17歳が書いたということが帯でもアピールされていますけど、17歳でしっかりストーリーとオチのある小説を書けるのってすごいですね。

広島行きの新幹線の中で一気に読破しました。たぶん2時間くらい?だったと思います。おもしろくてさらさらと読めました。最近あまり小説を読めてなかったのですけど、新幹線の中は読書がはかどりますね。

作中のキャラクター設定や描写についてはなかなか好感をもてました。現実的な範囲内というか。天才キャラがあり得る範囲内での天才キャラになっているというか。まほうつかいというファンタジー要素がありながら、だからこそと言えるかもしれませんけど、キャラクター設定などは現実的な路線で、そういうところのバランスがとても良かったと思います。読みやすかったです。

一章の手記が完全に創作だったオチは、なるほどなーって感じでした。色々と話の前提が崩れてしまって混乱しましたけど、他の章と照らし合わせるとそこまで全部が創作ってわけでもないみたいですね。二章の「まほうつかいには、それになるべき意思を持った者がなる」の台詞が一章のとは違っていたので、読んでいてあれ??とは思っていました。

渡辺百香視点の終章も、最後の終わり方も、とても良かったと思います。最後さわやかで良い終わり方でした。ハッピーエンド感がありました。

これでまだ17歳ということは、次回作以降もとても期待したいと思います。文体やキャラクター設定はとても17歳っぽかったですね。20歳や30歳になったときもまた楽しみです。