読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

映画「君と、徒然」感想

映画「君と、徒然」公式サイト

http://kimitotsuredure.com/

 

確定申告の仕事がすべて終わった3月15日に、観てきました。新宿バルト9という映画館で一週間限定で公開されていたのが、上映期間が延長になったので観にいけるようになったという経緯でした。確定申告期間は映画館とか全然無理だったので、延長はありがたかったです。

そもそも上映期間が一週間って、不思議な感じですよね。それで商売になるのか。しかも上映される映画館はこの新宿バルト9という映画館だけのようですし。お金かけて映画を作って、それが一つの映画館で一週間だけ上映されるって、儲けるための映画ではなく趣味とかプロモーションとかそういう性質のものなのでしょうか。不思議な感じがしますね。1回の上映で100人入ったとして、一週間で700人、単価は1,200円(1時間の映画のせいか安かったです)なので売上840,000円。うーーん。あ、関西の方の映画館でさらに一週間上映される予定があるらしいので、これが2倍だとすると、売上1,680,000円。それでも、うーん。他にグッズ収入やDVDの売上があるのだろうと思いますけどそっちの方が圧倒的に多いということなのかな。それでも大赤字になるようにしか見えない。撮影スタッフや出演俳優さんたちの報酬がめちゃめちゃ低いとかなのかなぁ。名刺代わりに本を一冊出版するみたいなノリの映画なのでしょうかね。この一作品では赤字前提で。自己紹介に使うための。

まぁ商売的なことはよくわからないですが、内容はとても良かったです。印象に残る映像が多かった。動きのない写真のような映像が多くて、なかなか他の映画では無い雰囲気で、新鮮でした。ずっと風景や無言のシーンが続いたり。そして、ずっと風景や無言の2人のシーンが続いたあとの台詞が、重たい台詞というか深い台詞というか、色々考えた上でこう言ったみたいな台詞なので、無言で横顔を見ていたシーンの間でも物語は進んでいたんだなぁと思えました。そういう演出がとても良かったですね。

特に印象に残ったのが、やっぱりましのみ先輩がピアノを弾くシーンと、あとはエピソード1の「明日、12時ね。映画、楽しみだね」の終わり方ですね。ずっと無言の2人のシーンが続いていた後の台詞でしたので、一気にそれまでの無言のシーンに意味が生まれたように感じて、とても良い終わり方でした。

佐藤青南『サイレント・ヴォイス』『ブラック・コール』ネタバレ感想

佐藤青南『サイレント・ヴォイス』『ブラック・コール』ネタバレ感想

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで語っていこうと思います。

 

いつもTwitterで本のおすすめを教えてくれる人から教えてもらって購入しました。なぜか2冊とも吉祥寺アトレのブックファーストで購入していたようです。並べて写真とったときにカバーが同じで、気づきました。1巻を先に買っていて、1週間くらいあとで2巻を買ったのですけど。行く本屋がいっぱいあるので同じ店で続けて買ったというのはなかなかめずらしいです。

超絶おもしろいというわけではなかったですけど、さらさらっと読めて、いい小説だったと思います。1話完結型で、その1話の中でも少し引っかけや意外な展開もあったりして。主人公の館岡絵麻と相棒役の西野のキャラクターや台詞のやり取りが圧倒的に古臭いので作者はたぶん50~60歳くらいだろうと思います。むかしのテレビドラマなんかでこういうノリを見かけたような気がします。事件を解決するたびに飲食店で事件内容について雑談する警察官2人……この設定もリアル感ゼロですけど、2人の台詞もひたすらファンタジーでしたね。逆にどこ発祥なのかちょっと気になりますね、この手の会話文って。別に50~60歳の人たちがリアルでこういう口調で会話してるわけじゃないでしょうし、この作者も普段こんな風に会話してるわけじゃないと思います。どこで覚えたのだろう。テレビや映画ですかね。テレビや映画だとして、どんな作品を見てこんな不思議な会話口調の文章を作ろうという気持ちになったのだろう。海外映画や海外ドラマの翻訳文章とか? まぁ何でもいいと思いますけど。

ネタバレで語りますけど、2巻の終わりがおもしろいと聞いて、買いました。1巻を読み終えたとき、おもしろいけどこれはワンパターンなんじゃ…という気持ちになったので、2巻がおもしろいと聞いていなければ2巻まで読んでなかったかもしれません。実際ワンパターンではありましたけど、それでもその中で引っかけなどもあって、それなりにおもしろく読めました。そして2巻の最後の話は、めちゃめちゃおもしろかったですね。2巻後半は一気読みでした。それまでずっとワンパターンで来ていたのが一気に別系統のストーリー展開になって。兄と弟の2人組だったという意外性から始まって、2重人格オチで、その兄弟と主人公との会話もめちゃめちゃおもしろかったです。ほんと、この話の盛り上がりはすごかったですね。そして、全部で6巻まで出ていると知っていたので、犯人自殺オチになったのは意外性がありました。2巻の終わりでこれって、3巻以降どうなるのだろう…。 

正直キリも良いし2巻まででいいかなって感じで、3巻以降は現時点で買ってないです。その教えてくれた人も、3巻以降は買ってはいるけど読んでないという感じらしいです。正直言って、仮にこれから6巻まで読むとして2巻の最後の話を超えるおもしろさって無さそうです。なので「3巻以降も読んでみたけど意外とおもしろかったよー」とか言われた場合だけ買って読んでみようかなって感じです。

ドラマ「3年A組」最新9話までネタバレ感想

ドラマ「3年A組」公式サイト

https://www.ntv.co.jp/3A10/

 

久しぶりに1話からずっとリアルタイムで追いかけているドラマです。昨日3月3日に9話が公開されて、来週3月10日に最終話が公開されますね。作中でも1話が3月1日から始まって、1日1話ずつ進んでいって、最終話の3月10日の話が3月10日に公開されるという。この辺は本当に上手いですね。

オリジナルだから結末が読めないのがいいですね。Twitterとかでふいにネタバレを見てしまう危険が一切無いから安心できる。正直、間延びしてる回もあったりして、全4~5話くらいに凝縮されたらすごい良い作品になってたんじゃないかなぁという感じはありますけど、まぁテレビドラマって基本そうですよね。

生徒役の人たちが男女問わずビジュアル良すぎてびっくりしてしまいます。よくこれだけ美男美女ばかり集めたなぁと。特に今田美桜のビジュアルが人形みたいですごいと思う。演技も迫力あるし。あとは演技は微妙ですけど甲斐くん役の人のダンスシーンがかっこよすぎてすごい。スタイル良いと映えますね。最近YoutubeとかTwitterで3年A組ダンスをよく見かけますけど、私も踊ってみたいけど絶対こんなキレキレでは踊れないですね~。あとは7話くらいから急に主役級になってきた堀部さん役の人もめっちゃかわいいと思います。台詞が何言ってるのかまったく聞き取れないことがよくありますけど…。滑舌の問題なのかそういうキャラだからそういうしゃべり方をしているのか。

ネタバレで語っていきます。

9話は茅野さくらが「私が殺したの」と言ったところで終わったわけですが、うーーん、1話や2話でもまったく同じように「私のせいで死んだ」的なことを言ってて、しかも柊先生から否定されてましたけど。今さらそんなこと言われても…ですよね。でも茅野さくらはその前のシーンで柊先生を止めようとしていたり、柊先生と2人きりで色々と話していたり、ちょっと他の生徒とは違う立場の存在ではありますよね。茅野さくら関連でまだ会話内容が明かされていないものが2つ3つあると思いますし。柊先生との会話と、あとは景山澪奈との会話も。この辺りは最終話で一気に明かされるのだろうと、期待してます。

正直、最後にきちんと納得できるオチが待っているのかめちゃめちゃ不安です。なんか雰囲気的には「景山澪奈を殺した本当の犯人は……世間だ」みたいなオチが待ってそうですけど、それだとちょっと白けてしまいそうな気がします。大丈夫なのだろうか。というかそのオチだったとすると何だかストーリー的に違和感が残ってしまうような気がします。

まず、柊先生がなぜ10日間も生徒たちを人質に取る必要があったのかという問題があります。9話で目的は3つと語られていて、1つ目が武智先生の断罪、2つ目が……口パク演出(←ちょっと萎えた)で最終話に明かされる展開、3つ目が生徒たちの成長。武智先生は証拠(自白)だけの問題だったのでこんな事件を起こす必要性は無いですし、3つ目の生徒たちの成長のためだとすると明らかにやりすぎで刑事の五十嵐さんや相楽社長が協力したことが不自然になってしまう、ということで2つ目の理由が大きかったのだろうと思われます。その理由のために五十嵐さんや相楽さんも協力したのだろうと。相楽社長は9話で「自分や五十嵐さんが協力したのは文香や景山さんのような人を出さないため」みたいなことを言い切ってましたので、この2つ目の理由は相楽文香や景山澪奈のような犠牲者をこれ以上出さないようにという話に繋がるものなのだろうと思います。で、それが果たして「世間を変えよう」的な目的でいいのか?という話ですね。「景山澪奈を殺した本当の犯人は世間だ」オチって、つまり「他人の悪口を無神経にネットに書くことは許されない。人の痛みに鈍感な世の中は良くない。社会を変えたい」というような目的で大人3人がこんな事件を起こしちゃいましたってことになってしまうと思うのですけど、うーーん。いいのかそれで。えーまじでー?って感じですけど。もしこのオチだったらめっちゃきつい。例えばデスノートという漫画の主人公は世の中を良くするために人を殺していきますけど、これは主人公が高校生だったからで、作中でも大人だったらそういう行動はしないと言われています。その感覚が普通ですよね。デスノートって20年前の作品ですけど、その感覚が普通だと思うのですよね~。いい大人が世の中を変えようという目的で行動することは基本無い。私の感覚がおかしいのか…? もし「本当の犯人は世間だ」オチなら主人公は高校生にしてほしかった。まぁ柊先生は正義のヒーローにあこがれる少年の心を持った大人で、あとは柊先生も五十嵐さんも相楽社長も自分の彼女や自分の娘が犠牲になっているので世の中を変えるというよりも私的な理由(復讐心というか)で行動した、と言われればギリ許せる範囲内ですかね…。

ということで、「景山澪奈を殺した本当の犯人は〇〇」の台詞ですけど、口パク演出で明かされなかった部分ですけど、世間とかそういうオチよりかは別のオチであってほしいです。というか、さすがに違うはず。五十嵐さんや相楽社長が協力する理由もしっかりあって、その本当の犯人を明かすことによって相楽文香・景山澪奈のような犠牲者が出なくなるような、そういうものがあるはず。

でも、この「景山澪奈を殺した本当の犯人は~~」の話は生徒たちが泣きながら聞いているので具体的な人名が入るとまた微妙なのですよね。例えば「景山澪奈を殺した本当の犯人は茅野だ」とか絶対おかしいですし、「景山澪奈を殺した本当の犯人は景山澪奈自身だ」(←自分で自分を追い詰めたとか)これも生徒たちがおとなしく聞き続ける反応になるのはおかしい。うーーん。

ワンチャンあるのが「景山澪奈を殺した本当の犯人は〇〇(←マインドボイスのユーザー名)だ」オチですかね。匿名なので柊先生からはどこの誰だかわからず、興味が沸きそうな事件を起こして書き込ませて、あぶりだそうとした。まぁ、最終話で出てこられても誰だよって感じですし、開示請求しろよって話ですし、無いか。でも犯人は世間だオチよりかはまだこういうオチの方が納得できますね。

3年A組は毎週観ているので本当にめっちゃ語れるのですけど、長すぎるのでここまででー。