読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

日経プレミア新書『性格がいい人、悪い人の科学』感想

小塩真司『性格がいい人、悪い人の科学』日経プレミアシリーズ(新書)2018年9月刊

 

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電車の中などで少しずつ読みました。なかなか興味深い内容で、すぐ読み終えました。さっと感想を書いておきます。

人間の性格を表す特性は5つあるという。

外向性

神経性傾向(情緒不安定性)

開放性(経験への開放性)

協調性(調和性)

勤勉性(誠実性)

この5つらしい。なぜこの5つなのかというと、人間の性格を色々な言い方で表現していくと、この言い回しとこの言い回しは類似しているということがあって、それらを一まとめにしていくと上の5つにまとまる、ということらしいです。例えば「まじめ」「誠実」「実直」「率直」などは同じ特性にまとめることができると。「明るい」「暗い」も同じ特性にまとめることができる。

こうして5つの特性の大小で人間の性格を言い表すことが可能になったわけですが、これは決して数値が高ければよくて低ければ悪いというものではないそうです。ゲームでいうところの「力」「素早さ」「知力」みたいなものということでしょうか。パワータイプもいれば魔法タイプもいると。どちらが優れているわけではなく。それはそうですよね。

さらにこの5つを、横軸「外向性」「開放性」、縦軸「協調性」「勤勉性」「情緒安定性」という表にすることもできるそうです。性格概念地図みたいな。例えば「楽観性」「自尊感情」といえば縦軸も横軸も数値が高い性格で、「シャイネス」「先延ばし」といえば縦軸も横軸も数値が低い性格ということになるそうです。わかりやすくて納得感があって、おもしろかったですね。

しかし例えば就職活動など求められる「コミュニケーション力」「主体性」「誠実性」などは、この縦軸横軸ともに数値が高い性格ということになるので、数値の高い人間ばかりが求められるということになり、それもいかがなものか…という問題提起がなされていました。現代日本はみんながこの数値が高い方の性格を身につけようとがんばる時代になってしまっているのではないか、という。ゲームでいうと万能タイプばかり育てようとしてるってことですかね。就職活動だと本当にそんな感じがありそうですよね。

内容に納得感があって良い本だったのですけど、今回は時間も無いので簡単な感想だけで。でもこの分野の本も、もっともっと読んでみたいですね。それくらいに興味が湧きました。

柚月裕子『ウツボカズラの甘い息』ネタバレ感想

柚月裕子ウツボカズラの甘い息』幻冬舎文庫 2018年10月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

Twitterで「読みやすくてさくさく読める」とおすすめされて購入しました。今月の新刊ですね。新刊コーナーの目立つ位置に置かれてました。名前は見たことがある作家なので、たぶんこの作者の本を買ったのは2~3冊目かな?と思います。

言われた通り読みやすくてさらさら読めました。文体も読みやすいし、展開もはやくて、続きも気になってすいすい読めた感じでした。おもしろかったですね。最初から最後まで安定しておもしろかった。終盤でようやく話が繋がったときは、おお~~っと感動できました。

最近は月曜から土曜まで毎日別の飲み会みたいな生活なので読書の時間が全然なくて、読破するまで1週間くらいかかったと思います。しかもこのブログに感想を更新するのにも3~4日かかってます。読み終わって4日くらい経ってますね今。ちなみに今はもう次の『朝が来る』という小説を読み始めています。やっぱり本の感想は読み終えてすぐ書かないとですね。絶対その方がいい。時間ないなら「おもしろかったっす」だけ2~3分で更新するだけでもいいし。今度からそうしていこう。

ネタバレで語りますけど、文絵パートの方がどういうオチになっていくのか読めなくって、物語展開がおもしろくて、かなりわくわくしながら読めました。月50万円の報酬を本当に払うとなると主人公が得しかしてないし…という感じで、オチが読めなかったですね。主人公を狙い撃ちにして舞台を整えて声をかけてきたのだろうとは想像できましたけど…。主人公が心の病気で、いない子供をいると思い込んでいる設定だからこその何が本当かわからない感じは、上手かったと思います。

オチも納得感があっておもしろくて、いい小説でした。どんどん小説を読んでいきたいけど今は時間がとれないのが悲しい。小説だけじゃなくて仕事の勉強の本ももっともっと読んでいきたいのですけど…。

結城充考『プラ・バロック』ネタバレ感想

結城充考『プラ・バロック光文社文庫 2011年3月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

Twitterで「ミステリではないけど、一気読みだった」と教えてもらって購入しました。古い本だったみたいで吉祥寺駅ビルの本屋で売ってなくって、Amazonで購入してます。

最近めちゃめちゃ飲み会が続いたり大事な仕事が入ったりで夜ゆっくり本を読む時間が取れなくて、結局読み切るまで1週間かかってしまいました。おもしろかったのですけど。

文体がものすごく特徴的というか、一言でいうとキモい感じで、薦められてなかったら絶対読んでなかっただろうなぁとは思いました。最初に読んだ日にすぐに「ちょっとこれ文体キモないー?」ってリプってますね。独自の世界観を作ってやろうという作者の狙いが中二っぽいというか。これで作者がリアル中学二年生ならぜんぜん許せてたと思いますけど、普通にいい歳したおっさんなのだろうと思いますし、たぶん。

まぁそれはいいとして。文体は最後の方は慣れました。全体的におもしろくて、特に後半部分は結末が気になってすいすい読めた感じです。主人公にも好感が持てましたし。ネタバレで語りますけど、主人公のお姉さんが普通に殺されたのはなかなか衝撃でした。そういうのアリなんだ…?って感じで。緊張感ありましたね。子供も殺される世界観という。

あと、電脳世界の描写がなかなか古臭くって、すぐに現実で出会えてしまう世界の狭さとか、20~30年前くらいの作品なのかなーと思ったのですが、今このブログを更新するために調べたら2011年の作品でびっくりしました。7年前くらいの作品だったとは。意外と最近の作品でした。