読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

村田沙耶香『コンビニ人間』ネタバレ感想

村田沙耶香コンビニ人間』文春文庫 2018年9月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

名前だけは前から知っていた作品でした。芥川賞ということも聞いたことがあった気がします。帯に「芥川賞」と書いてあって本当に芥川賞の受賞作というのもめずらしいですね。だいたい釣り帯なのに。芥川賞をとった作者のまったく別の作品とか。

この作者の小説は『殺人出産』だけは読んだことがありました。10人産めば1人殺せる世界観というなかなかインパクトある小説で、よくこんなこと思いつくなぁと思いながら読みました。最後のオチが気になりましたね。誰を殺すのか。

この『コンビニ人間』はそれと比べると現代日本が舞台の、普通の世界観の小説でした。人工子宮の出てこない世界観。主人公のキャラクターの方がちょっと異常で。

主人公と白羽くんのずれた会話がめちゃめちゃおもしろかったです。この2人の会話シーンは全部おもしろかった。世界は縄文時代と同じで、世界はコンビニと同じで。でもキャラクターの異常性の中でリアリティのある描写が多かったと思います。たしかに周りの反応はこうなるだろうなーという感じの描写ばかりで。そこがとても良かったですね。世界観が正常だからこそ、主人公のキャラクターの異常性について素直に読めました。

最後のオチは正直物足りなかったですね。結局そのままコンビニ人間を続けるという。最後テキトーすぎん…?と思ってしまいました。何の解決もなく。まぁ現状で解決策なんて無いですよね。30代後半までコンビニアルバイトだけを続けてきた人間がこの先どうなるのか。私も別に落としどころなんて思いつきませんし。リアリティを深掘りしていった作品だからこそのどうしようもない投げっぱなしエンドと言えるのかもしれません。最後に就職して真人間になっても結婚しても死亡とかしても一気にファンタジーになってしまう。これまで(キャラクター性以外)リアリティをずっと追及してきて最後ファンタジーオチってことになったらそれはそれでしらけてしまうだろうと思います。とはいえ、こんな風に普通に終わられても、物足りなかったですね。

『殺人出産』『コンビニ人間』とどちらもおもしろかったですし、この作者の他の作品も読んでいこうかなと思いました。

本多孝好『dele』ネタバレ感想

本多孝好『dele』角川文庫 2018年5月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

本屋のドラマ化作品コーナーに平積みにされているのは前から見かけてました。よく知らなかったので特にチェックもしていなかったのですが、twitterでいつも小説を教えてくれる人が「電車で読んで泣きそうになった」と言ってオススメしてきた作品でした。私は割と何でも泣けるタイプなので、久しぶりに小説で泣くかーと思って、購入してきました。

ネタバレで語りますけど、ドールズ・ドリーム、これは確かにガチで泣けました。めっちゃ良かった。オチの完成度的に言っても、この話が飛び抜けていたんじゃないかと思います。この設定はこの話のためにあったんじゃないかレベルの美しさを感じました。死後にPCのデータを削除することによって死者と残された家族とのコミュニケーションが成立するという物語展開は、とても上手いと思います。この設定だから可能だった物語展開って感じですし。ガチで泣けましたね。

その他の話も、1話完結で読みやすくて、その中でもストーリーに意外性があったりして、おもしろかったです。あとは祐太郎くんのキャラクターがとても好感持てて良かったですね。ちょっと聖人すぎる感じはしましたけど…。こういう反応を返すべき・こういう台詞を言うべきというのが先にあるキャラクターというか。テレビドラマっぽいなーとは感じました。リアル感を一切追及していないところが。

読み終わったあとテレビドラマの方も最新話だけTVerで見てみたのですけど、2人とも結構イメージに近かったです。祐太郎くん黒髪なの!?とは思いましたけど。なぜか勝手に金髪イメージで読んでました。圭司の方は本当にかなりイメージ通りでした。姉はなぜかもっと若いイメージで読んでいましたけど、弁護士事務所の所長って言うと、まぁ若いわけ無いか。ドラマの配役の方が正しいですね。

雨の神宮球場カープ戦

先週の土曜日に、神宮球場カープ戦へ行ったときの写真です。

今年は本当に色々な人たちと色々な球場へ行くことができて幸せでした。神宮球場にも、外野の応援団近くの席や内野よりの席、あとはマイナビシートというテーブル席にも行けて、かなり満喫できた感があります。

先週の土曜日は、内野よりの外野の席でした。のんびり座ってビールを飲みながら観戦しようかなという席ですね。まぁ私は応援歌を歌えれば何でもおっけーなのですが。

 

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試合開始前に、席に座った状態で撮影した写真です。

一番前の列の一番右側の席でした。ちょうどビールの売り子の人が立ち止まって「いかがですかー」という場所なので、どんな銘柄のビールでも買いやすいというなかなか最高の席でした。来年以降もこの席でいいなーって思いましたね。ちなみに私はカープ戦のチケットを取るためにスワローズのファンクラブに入っています。しかも一番高い1万円のコースに。

 

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毎年この時期の神宮球場は花火があるらしく、この日も3000発の豪華な花火を見ることができました。3000発だけあって、体感でかなり長く打ち上がってました。

 

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途中で雨が強くなるたびに試合が中断されていました。それでも毎回10分ほど待てば雨が止んで、結局試合は最後の9回まできっちりおこなわれました。

ちなみにこの写真は8回裏が終わったあとの中断で、この時点でカープが7点差くらいで勝っていたので、スワローズ側の人たちはかなりの人数が帰宅を始めてました。もう22時とかでしたし。カープ側の人たちですら2~3割はいなくなっていたと思います。

ちなみに試合中は傘はさせないですけど(マナー的に)試合が中断されている間は普通にみんな傘をさしています。なかなかめずらしい光景ですよね。

 

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試合が再開されたので傘をたたんで観戦する人たち。これは本当に最後の9回裏ですね。22時すぎると鳴り物が禁止になるので静かな応援でした。アカペラで歌う感じですね。

ちなみに赤のポンチョはカープのグッズで500円くらいの値段。透明のレインコートなら神宮球場でも売っていて500円か600円くらいの値段。ちなみにコンビニで売ってるレインコートは500円とかですね。100円ショップで売ってるものと変わらないレベルだと思いますが…。

 

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試合後の写真。勝利のあとは残ってヒーローインタビューを聞いたり応援歌を歌ったりする時間ですね。あとはこの時間に記念撮影してる人たちも多い。

こんなに大雨の中で観戦することってめずらしかったですけど、これはこれで、なかなか楽しい経験でした。雨の観戦のときに絶対に持っていくべきものは、レインコート(ポンチョ)と、カバンを入れるビニール袋(ゴミ袋でも…)だと思います。あとは傘もあれば中断の時間に助かります。あとは靴がどうしても雨でずぶ濡れになるので、そうなってもいいようなボロい靴で行くのが良いですね。

 

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おまけの堂林。悲しい代走要員。この日も代走のあと守備に入って打席は回ってこないというパターンでした。今ごろホームランバッターに成長している予定だったのに(私の中で)堂林悲しすぎる。

携帯のカメラなのでやはりズームが弱いですね…。良いカメラほしいなぁ~。