読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

本多孝好『dele』ネタバレ感想

本多孝好『dele』角川文庫 2018年5月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

本屋のドラマ化作品コーナーに平積みにされているのは前から見かけてました。よく知らなかったので特にチェックもしていなかったのですが、twitterでいつも小説を教えてくれる人が「電車で読んで泣きそうになった」と言ってオススメしてきた作品でした。私は割と何でも泣けるタイプなので、久しぶりに小説で泣くかーと思って、購入してきました。

ネタバレで語りますけど、ドールズ・ドリーム、これは確かにガチで泣けました。めっちゃ良かった。オチの完成度的に言っても、この話が飛び抜けていたんじゃないかと思います。この設定はこの話のためにあったんじゃないかレベルの美しさを感じました。死後にPCのデータを削除することによって死者と残された家族とのコミュニケーションが成立するという物語展開は、とても上手いと思います。この設定だから可能だった物語展開って感じですし。ガチで泣けましたね。

その他の話も、1話完結で読みやすくて、その中でもストーリーに意外性があったりして、おもしろかったです。あとは祐太郎くんのキャラクターがとても好感持てて良かったですね。ちょっと聖人すぎる感じはしましたけど…。こういう反応を返すべき・こういう台詞を言うべきというのが先にあるキャラクターというか。テレビドラマっぽいなーとは感じました。リアル感を一切追及していないところが。

読み終わったあとテレビドラマの方も最新話だけTVerで見てみたのですけど、2人とも結構イメージに近かったです。祐太郎くん黒髪なの!?とは思いましたけど。なぜか勝手に金髪イメージで読んでました。圭司の方は本当にかなりイメージ通りでした。姉はなぜかもっと若いイメージで読んでいましたけど、弁護士事務所の所長って言うと、まぁ若いわけ無いか。ドラマの配役の方が正しいですね。