読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

芦沢央『バック・ステージ』ネタバレ感想

芦沢央『バック・ステージ』角川文庫 2019年9月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

広島旅行のときに新幹線の中で読みました。広島の福山駅に着いたときもまだ途中で、そのあと福塩線という電車に乗り換えたあとも車内で読み続けて、ちょうど高木駅というおばあちゃんちの最寄り駅に着いたときにあと少しで読み終わるというタイミングで、もうこのまま乗り過ごして最後まで読み切っていこうかと思ったのですけど、さすがにおばあちゃんが待っているので断念して電車を降りました。それくらいおもしろかったです。夢中で読めました。結局おばあちゃんちに着いたあとはおばあちゃんと話したり買い物へ行ったり夜ご飯を食べたりしてましたから、その日の寝る前になってようやく最後まで読むことができました。

最初から最後までおもしろかったですね。基本は短編集って感じでしたけどそれぞれ繋がりがあったり同じ場所が舞台だったりで、一連の物語という感覚で読めました。

読み終わったあと、1話目の母親の話だけが舞台と無関係で謎だなぁとちょっと思ったのですが、よく考えると2話目も舞台とそんなに関係なかったですね。どちらもオチが意外性ある感じで、それでいて最後はいい雰囲気で終わって読後感も良く、いい話だったと思います。

でも3話目が一番おもしろかったですね。脅迫状が届く展開も、舞台の役柄のために体の関係を持つ展開も、ストーリーに緊張感がありました。オチも良かったです。ジャンプ漫画のアクタージュみたいなノリでしたね。舞台に命かけてる、みたいな。この話は短編としてはトップクラスにおもしろかったと思います。いま思えば妥当なオチという気もしますけど、新幹線の中で読んでいるときはおお~すごいオチだなあ~くらいに思いました。

最後の最後にいい雰囲気で終わるのも良かったですね。「もう解散したって答えてもいいですか」という台詞は名文だなぁと思いました。この終わり方は圧倒的なセンスを感じる。

この作者の次の作品も楽しみですね。今の最新作のカインは~みたいな名前のやつも評判がとても良いっぽくて、文庫化されるのが待ち遠しいです。

今村昌弘『屍人荘の殺人』ネタバレ感想

今村昌弘『屍人荘の殺人』創元推理文庫 2019年9月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

いつもTwitterで小説を教えてもらっている人から、ずっと前から教えてもらっていた小説でした。文庫化されたら買おうとずっと思ってた。映画化されるということは聞いていまして、たぶん映画化されるタイミングで文庫化されるのだろうなと、ずっと待っていました。

永福町の駅ビル2階の本屋で購入しました。今はどこの本屋でも新刊コーナーの一番目立つ場所に平積みにされていますよね。全然知らない名前の作者だなぁと思っていたら、新人だったらしい? この作品がデビュー作だったらしい? すごいですね。

読み始めてから3日くらいで読み切ってしまいました。とてもおもしろかったです。評判通りでした。特に後半は一気読みでした。

ネタバレで語ります。

最初は会話文の独特な感じがなじめなかったのですが、中盤以降はそれも気にならなくなってきて、ストーリーの続きが気になって一気読みでした。どういうオチになるのか読めなかった。

まさかゾンビものの小説だとは思わなくて、びっくりしました。かなり意外性がありましたね。現代が舞台で普通にこういうゾンビものの作品があり得るとは、と思いました。オチがどうなるのかほんと読めなかったです。ゾンビが本当にゾンビで明智さんとかが本当に死んでゾンビになったまま戻らないオチとは思わなかったです。何かトリック的なオチだと思っていたので、普通にそのまま終わったことに対して逆に意外性を感じました。超常現象があるタイプの世界観だったとは。ミステリだと超常現象に見えて実は…みたいなオチばかりでしたので。これはこれで新鮮でおもしろかったです。逆に騙された感がありました。

犯行動機とか犯人とかにもひねりがなく、ゾンビウイルスの詳しい仕組みも明かされないまま終わるという展開でしたけど、最後まで楽しく読めたので不満は無いですね。次回作へと続く感じなので、また楽しみです。

でも終盤でちょっと主人公犯人オチを匂わせる展開になったのは、おもしろかったです。引き込まれました。扉から外に出たときに目を合わせたのはおかしいというのは、まったく気づかなかったです。見取り図は何度も振り返りながら読んでいたのですが、そこは思いつかなかったですね。なるほどぉ~と思いました。

エレベーターに入れて1階へ降ろしてゾンビに殺させるみたいなトリック(?)はさすがにうーーん?って感じでしたけど、この終盤のあたりまでくるともう世界観に慣れてきたというか、ゾンビものだなという感じで読んでましたので、これはこれで勢いがあって良いって感じでした。このゾンビウイルスの製作者とか首謀者の人の目的なんかも一切説明がないまま話が進んでいってそのまま終わりましたし。ちょっと他の小説とは違うノリというか、でもこれはこれでいいと思います。

主人公の葉村くんとヒロインの剣崎さんに対しては正直そこまで魅力を感じなかったのですが、それでこれだけおもしろかったので、2作目以降も本当に楽しみです。この同じシリーズの続編も読みたいですし、まったく別シリーズも読んでみたいです。

バチェラージャパンシーズン3 エピソード3まで感想

バチェラージャパン、シーズン3が始まりました。現在はエピソード3(第3話)まで一気に公開されています。シーズン1もシーズン2もおもしろかったので、かなり期待しながら待っていました。さっそく3話まで見て、やっぱりバチェラーっておもしろいなぁと思いましたので、ここまでの感想を書いておきたいと思います。 

シーズン1と2は肝心のバチェラーに結婚する気がなさそうだったのがそもそも番組の趣旨としてどうなのか…って感じでしたけど、このシーズン3のバチェラーはちょっと本気で結婚相手を探しに来ている感があって、そこは好感を持てる感じがしています。シーズン1のバチェラーは完全にビジネスモードで100%仕事で来ていて粗相しないで最後まで乗り切るのが目的ですって感じでしたし、シーズン2のバチェラーはバチェラーって豪華ですげーって感じのお客様みたいなノリでしたし。ただ、今回のバチェラー、ガチ度は感じますけど条件が厳しすぎて、参加女性陣の中に該当する人いるのかな…?って気はしますよね。フランスとか一緒にゴルフとか犬を飼うとか、性格は強い人じゃないととか。これ満たす人が参加女性陣20人の中で何人いるのか…。1人か2人しかいないんじゃ…。こういうのってスタッフが面接するときに条件を満たしそうな人を選んでるのだとは思いますけど、そうは言っても多様性がないと番組として成り立たないと思いますし、ってことではじめから可能性ゼロで参加することになっている人たちが結構いそうで、ちょっとかわいそうですよね。条件で決めますってことにするとそうなってしまうというか。シーズン1なんかはバチェラーも参加女性陣もみんな結婚目的では参加してませんって感じだったので逆に安心して見ていられましたけど。というかシーズン3でも、リアルで結婚目的で参加してくる人ってどれくらいいるのですかね、そもそも。

そもそもの話で言うと、このシーズン3のバチェラーと結婚したいか…?という話もあると思います。さわやかでめっちゃかっこいいですけど、自分の意見が絶対ってタイプに見えますし、何かあったときに2人で相談して決めたりできなそうですし、ちょっと個人的にはこういうタイプの人とは付き合いたくないですけど…。意見が対立したら関係が終わりそう。フランスじゃなくてアメリカがいいと思うのだけどどう思う?とか言ったら君がそんな人だとは思わなかったとか言われて関係を切られそう。でもこのバチェラーってまだ30歳前後だったと思いますし、年を取って心が広くなったら良い感じになるのかなー。どうなのかなー。私も30歳くらいのときはこんなだったかもしれないですね。覚えてないですけどー。

参加女性陣の中で好みなのは、やっぱりDJの中川さんですね。ビジュアルもすごい好みですけど、最初のパーティのときに飲みすぎたと言ってお腹をさすってる姿が良すぎた。カクテルパーティでバチェラーの肩を叩きながらげらげら笑ってたシーンなんかも、微笑ましかったです。でもバチェラーが求める条件を一つも満たしてなさそうなので途中脱落でしょう。賑やかし要員で残されてるだけでしょう。あと好みなのは、自称ビッチの加賀美さんですね。3話で脱落してしまいましたけど、この人もビジュアル的にもキャラ的にもすごい好きでした。素直で良い人そうで、期待されたら応えてしまう的な人の好さを感じました。脱落後のインタビューでがんばり方を間違えたと明るく笑ってたのもすごい良かった。結婚目的で参加してなさそうでしたけど、いい男性と幸せになってほしい。スタジオ感想コーナーで合コンならモテるけど…みたいなことを言われていましたけど、普通に結婚相手としてとてもいい人だと思う。

最後の一人に残りそうなのは、普通にぶどう農家の岩間さん、ですかね。視聴者視点だとそれ以外になさそうに見えます。というかバチェラーがインタビューで語っている条件をすべてクリアしてるのが今のところこの人しかいない。まだゴルフとか運動とかのシーンが一切無い人が結構いますので他にも該当者がいるかもしれませんけど。野原さんとか濱崎さんとかは可能性を感じないこともない? 

参加女性陣については、シーズン3は、今までよりも普通というか、いそうな感じの人が多くて、バランスの良さを感じます。婚活サバイバルっぽさを感じる。シーズン1はモデルやアイドルばかりで、最後もアイドルの人が普通に選ばれるという、婚活感ゼロでしたし。それはそれで華やかで見てて楽しかったですけど。でも、バチェラーって、女性から男性にアプローチすることに慣れていない女性陣がズレた気の引き方をするみたいなシーンがよくありますけど、シーズン1みたいなモデルやアイドルの人たちがそういう状況に陥るのはある意味エンターテイメントとして楽しく見られましたけど、普通っぽい人がそういう状況に陥っている姿は見ててちょっと心が痛むというか。例えば広島弁の城田さんの習字とか。習字で感謝とか書いても惚れる男はいない…。手紙はとても良いけど。加賀美さんのエロマッサージもそういう状況下でのズレた行動って感じがありましたね。社長令嬢の高田さんもその手のズレた行動が多い印象。逆に言うと普段は男性からモテてきた人たちなのでしょうけど。韓国の李さんの今まで男に待たされたことが無い発言はいさぎよくてかっこよかったです。何も行動しないでさくっと脱落してましたけど。

同じシステムで番組を3回も続けていてどれもおもしろいってすごいと思います。全然飽きずに見られてます。4話以降もめっちゃ楽しみですね。でもそういえばシーズン1も2も推しがいなくなったあとの終盤は飛ばしながら見る感じだったような気がします。今回も中川さんが脱落したあとは飛ばし飛ばし見る感じになるかもー。