読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』ネタバレ感想

杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』新潮文庫 2023年5月刊

 

 

※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

立川のららぽーとの本屋で購入しました。おすすめ小説のコーナーから。小説は電子書籍で購入しているのですけど、これは帯で「電子書籍化絶対不可能」と書かれていたので、さすがに紙の本で購入してみました。

どういうオチになるのか、全然予測できませんでした。ストーリーについてはまぁおもしろいかな程度だったのですけど、途中からオチが気になってしまって最後まで一気読みでした。

ネタバレで語ります。

原稿が燃やされたときに完全にオチが予測不可能になりました。まさか小説の内容ではなく文字配置がオチになっているとは予測できませんでした。こんな作品は初めてでした。ぱらぱらと読み返してみたらたしかに後ろのページが透けないような文字配置になっていて、衝撃でした。というかすべてのページが同じ文字配置になっているのですね。これはたしかに電子書籍化は不可能だなぁと思いました。「     」が透けるという発想もものすごいですね。文字が浮かび上がったときは感動がありました。透きとおっていれば見つけてくれるという文章もとても良かったですね。『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルにも納得感がありました。

この発想はなかったという衝撃があって、読後の満足度が高かったです。「全国書店で1位」と帯に書かれてましたけど、それも納得というか。