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麻耶雄嵩『神様ゲーム』ネタバレ感想

麻耶雄嵩神様ゲーム講談社文庫 2015年7月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

「おもしろかったけど最後よくわからなかった」と言われておすすめされた小説。たしかに、最後は「ん???」って感じでした。そっち??っていう。

この作者の小説には昔すごいはまりまして、その当時に出版されていたものを全部買って読みました。たぶん10年前くらいの話です。メルカトルシリーズとかもだいたいおもしろかったですけど、やっぱり『螢』が一番おもしろかったです。完全にだまされました。めちゃめちゃ衝撃で、おもしろかったですね。あとは『貴族探偵』の中の「こうもり」とかも。

そんなわけで『神様ゲーム』です。最初から最後までずっとおもしろかったです。鈴木くんが本当に神様なのかどうか、さすがにこれで本当に神様でしたというオチは無いよなーと思いながら読んだわけですけど、どうやら本当に神様だったオチのようですね。世界観すごいな。

主人公の父親が共犯者だったという推理は、おお~なるほど~と思いました。すべてがつながった感じがありました。なので、最後に母親が天誅をうけるというオチはかなり謎な感じでした。わざわざ「神様は間違えない」「真実のみがある」と書かれてますし、母親の方が共犯者でしたというオチなのでしょうか。うーーん。母親が共犯者で死体の始末などをしたというオチなのだとしたら、父親も共犯者じゃないとおかしいですよね。死体をしっかり確認してこいなんて不自然すぎますし、すくなくともこの電話の時点では父親も共犯者でないと話がおかしい。とすると父親、母親の2人とも共犯者というオチしか無いように見えます。実際に死体の始末をしたのは天誅をくだされた母親の方で、普段あの屋敷でミチルちゃんと会っていたのは父親の方で、みたいな。でも神様の鈴木くんは「ミチルちゃんは共犯者と屋敷でいつも会っていた」みたいに言ってましたし…。とすると、いつも屋敷で会っていたのも母親の方で、母親はLGBT系の人で、ということでしょうか。主人公が両親と血が繋がっていないというのが若干の伏線になるか…って感じですかね。父親はもともとその関係を知っていて、電話で殺害のことを知らされて協力した、とか。

どっちにしても不自然というか、最後に意外性のあるオチにしようとして不自然な作品になってしまったって感じにどうしても思えてしまいますね…。もう一ひねりあった方がいいかな~と作者が思って、最後になって父親じゃなくて母親に変えた、って感じだったのでしょうか。読者からすると特におお~母親だったのかあ~となることもなく、母親ってのは無理すぎん…?って思ってしまうのですけど…。