読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

道尾秀介『カラスの親指』ネタバレ感想

道尾秀介カラスの親指講談社文庫 2011年7月刊

 

f:id:seoma:20191008000937j:plain

 

※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

いつもTwitterで小説を教えてもらっている人が今読んでいると言っていた本。ちょうど寝る前に読む本がなくなっていたので、それならばということで自分も買ってみました。かなり古い作品だったみたいですが、作者は聞いたことのある人でした。何度か読んだことがあると思います。終盤のオチにびっくり系の小説の人って印象でした。よくこんな物語構成&オチを思いつくなぁ系の人というか。すごいですよね。

というわけでネタバレで語ります。

この小説も、最後のオチにおどろく系の作品でした。かなり予想外で、驚きました。でもそう言われるとすべてが納得、という感じでしたね。たしかに不自然といえば不自然なストーリー進行が多かった気がしますし。都合のいい展開というか。でも小説なんてそんなものという意識で読んでいましたので、違和感は全然ありませんでした。序盤~中盤もかなり緊張感があって一気読みに近い形で読めましたけど、それがすべて仕組まれたもの&演技だったというオチは、かなりおもしろかったですね。すごいなぁと思いました。普通に緊張感を持って読んでましたので、完全にだまされました。

こういう最後にびっくり系のオチって、それがなかったとしても物語として成立するというのが大事ですよね。そうでないと、読んでいて、このまま終わるのはおかしいから何かあるのだろうな→やっぱりな、という印象になってしまいますし。

業者のフリをして事務所へ突撃する展開はすごい緊張感ありましたし、最後にすべてが明かされる展開もすっきりできましたし、二重に楽しめた小説でした。すべてがつながる感じは、とても良かったですね。すごかったです。