読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』感想

花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』河出文庫 2020年2月刊

 

f:id:seoma:20210120001944j:plain

 

めずらしくミステリと新書以外の本を買いました。日経新聞か何かの記事で知って、Amazonで買いました。売れてる本1位の帯がついてましたけど、本屋で見かけたことなかったですね。こういう本がどの棚に置いてあるのかもよくわからないですけど…。

出会い系サイトで会った色んな男性とのやり取りの話でした。おもしろくてすいすい読めました。イメージ的に女子視点でこういう題材だと出会い系にこんなきつい男がいましたとかそういう否定的なニュアンスの話になりそうな気もしますけど、割とフラットな感じで、否定も肯定もせずという雰囲気の話が多くて、読みやすかったです。好感を持てました。色んな人と出会って話せるのが楽しくて勉強になるという雰囲気で、成長物語っぽくて良かったですね。

そのあたりについては私もわかるというか、私は税理士試験に合格した後くらいから結婚するまでの間、色んな人から色んな女性を紹介してもらいました。1対1だったり合コンだったりですけど、ちょうどこの本の著者の方みたいに、どんどん色んな人と会って初めましての会話をしていくという経験でした。そのとき、世の中には色んな女性がいて色んな男性がいて、色んな職業に色んな悩みがあるのだなぁとすごい思いました。楽しかったです。色んな人と話すのが楽しかった。結婚したのでそういう経験はもう二度と無いでしょうけど、結婚生活はまた別の楽しみがありますね。それに、色んな職業の人と会ってお話するというのは税理士の仕事がまさにそれで、だから税理士は楽しいなぁと思います。まだまだ世の中は広くて私の知らない世界ばかりなのだろうなと思います。

この本の中で紹介されていた本、いくつか読んでみたいなと思う本がありました。というわけで後ろの一覧の中から文庫のやつをとりあえず買ってみたのですけど、その本はそこまではまりませんでした…。でもせっかくなのでもう2~3冊買ってみたいなーと思っています。

自分におすすめの本を教えてもらえるって最高にわくわくしますよね。なんかそういうサービスがあったら利用したいなぁと思いました。Amazonの「おすすめの本」というレコメンド機能なんかがそれにあたるのでしょうけど、Amazonはあきらかに精度が低いです。Youtubeの関連動画はまだマシだと思いますけど。AIがはやく発達してほしい。この辺の機能って進化が止まっているんじゃないかな…という感覚です。人におすすめ聞いた方が早そう。それとも私が知らないだけですかね…。

映画「えんとつ町のプペル」感想

映画「えんとつ町のプペル」公式サイト

https://poupelle.com/

 

吉祥寺プラザでみてきました。なんと自由席で、真ん中の方の席しか空いてなかったら嫌だなぁと思いながら見に行ったのですけど、10人くらいしか客がいなくて、席を選び放題でした。とても快適に見ることができました。

ちなみに作者のキングコング西野という人はYoutubeでしか知らないです。Youtubeでアップされている音声動画をたまに仕事中に聞いたりしています。音声動画って仕事中に流すのに最適ですよね。

この映画えんとつ町のプペルという作品はYoutubeでとてもよく宣伝を見かけるという印象でした。なんかビジネス系Youtuberの界隈で盛り上がっていた作品なのですかね。仕事中に見ているYoutubeで結構話題に出てきていた印象でした。作者の西野さんも色んなチャンネルに出てインタビューに答えたりしているのをよく見かけました。むかし日本中から叩かれてその経験をもとに映画作品を作りました、と。しかし私はその叩かれたというのをまったく知らないのですよね。どういうことで炎上して叩かれたのかもまったく知らないです。たぶん私が税理士試験の勉強とオンラインゲームしかしてなかった時代の出来事なのだろうと思います。

この映画の宣伝の雰囲気や作者インタビューなどを見ていてめちゃめちゃ思ったのが、内輪向けの作品なのだろうなということでした。オンラインサロンの仲間たちと作り上げました的な。この映像は〇〇さんが作ってくれて、この宣伝は〇〇さんがしてくれて、みたいな感じで仲間うちの人たちで盛り上がってます的な。ということで、私はオンラインサロンのメンバーでもないですし作者のファンでもないですし、そんな人間が見ても100%完全には楽しめない作品なのだろうなとは思っていました。

という流れで見てきたわけですが、結構泣けました。父と息子みたいなシーンはやっぱりいいですね。プペルが「父ちゃんなんだろ?」というシーンと、最後の船の上で父親の腕で「がんばれ…がんばれ…」というシーン、この2ヵ所で泣けました。あと、映像がとても良かったです。序盤のトロッコのシーンの迫力すごかったです。あと、目線に合わせて映像がぐるんぐるん動くシーンが多くて臨場感がすごかったです。

星を見るというストーリーについては、正直あまりぴんと来ませんでした。星を見たらどうなるのかとわくわくしながら見ていたら星を見ただけで終わった、みたいな感じでした。ストーリーがめちゃめちゃ弱い映画だったと思います。薄いというか。台詞回しとかになんだか昭和っぽさを感じましたし、2021年の現代の作品って感じがしなかったですね。

序盤の突然カボチャヘッドたちが踊り出すシーンは良かったです。おお~なにが始まるんだろうと思いました。結局オシャレのためだけのシーンでしたけど、ああいう演出は嫌いじゃないです。全体的にオシャレ映画っぽさがすごかったですね。ストーリーよりも映像や演出重視というか。ストーリーの深掘りが一切なかったり、場面がぽんぽん飛んだり、挿入歌がすごい多かったり。でも映像のためだけでも見る価値はあったなとは思いました。

幻冬舎新書『新宿・歌舞伎町』感想

手塚マキ『新宿・歌舞伎町』幻冬舎新書 2020年11月刊

 

f:id:seoma:20210109003738j:plain


三軒茶屋TSUTAYAで購入しました。タイトル買いでした。歌舞伎町って大好きなのですよね。キラキラした雰囲気が本当に好きです。歩いているだけでテンション上がります。結婚してからも夫婦でよく行きます。飲み歩きしたり、たまにボーリングしたり。

歌舞伎町を歩いているときのテンションと東京タワーや渋谷スカイから街の夜景を見降ろすときのテンションって結構近いです。この街で何万人も何十万人も生きていて動いているんだなぁという感覚というか。このキラキラした大きな街の中で自分一人、みたいな感覚というか。自分一人vs大きな街みたいな感覚になります。色んな人が居て色んな人生があるなぁというか。自分はここでがんばっていこうと思って仕事に対するテンションが上がります。

そんな大好きな歌舞伎町について、ホストクラブの店長の人の視点から書かれた本でした。私はキャバクラとかホストクラブってほぼ行ったことがないのですよね。歌舞伎町のホストクラブが密集しているエリアは夫婦でよく行くのですけど。通行人よりも立ち止まって2人で話しているホストの人たちの方が数が多い空間という印象です。私が夜遅い時間に歩いているせいかもしれませんけど、ホストクラブに入っていく客の姿をあまり見かけないのですよね。こんなにいっぱいホストクラブがあって儲かっているのかなぁと不思議に思います。めちゃめちゃ興味ありますけど顧問先で1件も無いですね、ホストクラブ。

この本の内容について語ると、この著者の人の歴史というか経験してきたことについて時系列で書かれていて、すいすい読みやすい本でした。ホストのときの話とか、歌舞伎町の周りの人たちの話とか、色んな話題があって読んでいておもしろかったです。ビジネス的にとても成功している人なのだろうと思うのですけど、ドヤるところが一切なくて、好感もてるというか、結局本心なのかよくわからないというか、そんな感じでした。失敗談のようで失敗談でなくて、でも成功談としてドヤるわけでもなくて、という展開で、不思議な感じというか。でも最初から最後までおもしろい本でした。