読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

『もう親を捨てるしかない』

『もう親を捨てるしかない』島田裕巳 著 幻冬舎新書 2016年5月刊


現代日本って老人天国ですよね。いや老人地獄というべきなのかな。老人にしがみつかれて溺死しかけてる。

この本はそんなマクロ視点の話ではなく、もっと一個人として親の介護などをどうすべきかという内容の本でした。どうすべきかというか、自分が死にそうになるくらいならするなという内容です。極端だと思いますけど一理あるなとも思いました。

この本の副題は「介護・葬式・遺産は、要らない」
本の題名と並んでなかなか刺激的な言葉ですよね。
各章のタイトルも刺激的な感じで、ユーモアを感じます。言葉のセンスがすごい。

第1章 孝行な子こそ親を殺す
第2章 日本人は長生きしすぎる
第3章 就活はなぜ無駄なのか
第4章 親は捨てるもの
第5章 とっとと死ぬしかない
第6章 もう故郷などどこにもない

今こうして羅列していっても改めて実感できましたけど言葉にとても気を使ってる感じがエンターテイメント感あって、安心して読める本でした。文章読みやすくって。

たまに見る介護殺人系のニュースってほんと重苦しい気分になってしまいますけど、やっぱり他人事だと言えない感じがするせいですかね。あとは介護離職とか。親の介護をしていたら気づけば○○歳独身ですとか。私は介護してなくても独身ですけど。

うちの親はまだ健康なのですけど、というか健康おたくなのか知らないですけど実家行くたびに違う健康法に手を出していて笑いますけど。この前は旧石器時代健康法というものを実践していたようですけどきっと今はまた別の健康法を実践しているのでしょう。とても健康的ですよね、別に皮肉じゃなく。しかし親がいつまで健康でいるのかはわからないわけです。全然関係ないですけど80歳くらいのおばあちゃんに この前「自分の寿命ってそろそろわからないものなの? あと何年何か月後に死にそうだなーとか」と聞いたら「それは何歳になってもまじでわからない」と言われました。(「まじで」って単語は使ってなかったかもしれませんけど) 80年も生きていても自分がいつ死ぬかわからない、というのは結構衝撃ですよね。人はいつまで経っても神になれないのだなぁというか。

なんか話がそれてますけど、もし自分の親に介護の問題が発生した場合どうするかというのはやはりどこかで考えておくべき問題なのかもしれないですね。介護離職はとてもできないので(仕事が楽しすぎるから)どうするか。もう親を捨てるしかない?いやぁそうは言われても自分の親を捨てるってのもねぇ。しかし捨てないとするとお金で解決するしかないわけですよね。がんばって稼ぐしかないなぁ。

『数学的決断の技術』

『数学的決断の技術』小島寛之 著 朝日新書 2013年12月刊


自分の決断にクセがあるという話がまず興味深かったです。
例えば自分がAという基準で物事を決断する人間だとして、他にもBやCという基準があるという知識を持っておけば、物事を決断するときの選択の幅が広がる、という話ですね。これは興味深いです。
何となくそういうものだろうという考えは私も持っていましたが、数字で説明されるとわかりやすく、説得力を感じますよね。
という内容の本でした。

ちなみにこの本は2013年12月に刊行された本らしいのですが、なぜか吉祥寺キラリナ7階本屋の新刊コーナーに平積みされてまして、普通に新刊だと思って購入しました。本屋ってたまにこういうトラップをしかけてきますよね。2013年の本だと事前に知っていれば買わなかったかもしれない、ただ、結果としてはおもしろい本でしたし、紹介してくれてありがとうございますって感じです。

本の中で自分の決断のクセを知るための「アンケート」が2つくらい紹介されていましたが、どうも私は余計なことまで考えてしまったせいか、どちらも「少数派です」とか「この選択肢を選ぶ人は矛盾を抱えています」とか言われてしまいました。
例えばABCDの4種類の商売が紹介されていてあなたならどの商売を選びますか?というアンケート。
それぞれの商売は、晴れ 曇り 雨 雪 の天候によって売上が違ってくる。
どんな天候でも売上1万円~2万円と均等に近い商売から、曇りの日は売上5万円で他の天候の日は0円とかの極端な商売まで、4種類。
ここで私が選択したものはこの「曇りの日は5万円だけど雨と雪の日は0円、晴れの日は1万円」という極端な商売だったわけですが、私がこの商売を選択した理由は「曇りの日以外は他の商売をすればいいじゃん」というものだったのですね。しかしたぶんそういう選び方は想定されていないようでした。
この商売を選択する人の決断のクセは「可能な中で最大の利益に注目するマックスマックス基準」というもののようです。
ちなみに他の3つの基準は、
「最低でもいくらの利益があるかにこだわるマックミン基準」
「確率をベースにして計算された平均値(期待値)で選ぶ期待値基準」
「最も後悔を少なくすることができる最大機会損失・最小化基準」
というものでした。
それぞれ詳しく解説されてあり、どれも納得できる基準で興味深かったです。
しかし自分の決断のクセが実際のところ上記4つの中のどれに当たるのかは、うーーん結局わからなかったです。

自分では自分のことを楽天的でポジティブな方だけど決断はどちらかと言うと慎重にするタイプ?だと思っています。そう言うとなんだか矛盾しているみたいな気もしてきましたけど。意識してポジティブであろうとしているということです。できるだけフラットな、真っ平らな状態で人と接しようとしています。でもわざわざ意識してそうしているということは本当の自分はそうでは無いということになるのか、でもそんなこと言ったら本当の自分とは?などと、まぁ色々と考えてしまいますね。
結局「少数派」「矛盾を抱えた人」というアンケート結果は当たっているのかもしれない。

人生は決断の連続であるというのがこの本の主旨でもあるわけですけど、私が(暇すぎるので)自分のブログを作ろうと決断したのが半年前くらい、株式上場のニュースを見てはてなブログにしようと決断したのが5か月前くらい、まずは読んだ本の感想でも書いていこうと決断したのが1か月前くらい(期間飛びすぎ)、そしてようやく記事を書いたのが今。これは一体どういうタイプの人間なのですかね…。怠惰すぎますね。
でもインプットだけじゃなくアウトプットもしていきたい。思考整理、思考整理。
何か行動するときに言い訳が必要というのが私のクセだと自分では思っています。言い訳体質。アウトプットのためにブログやってるんだもん。という。
これはなぜかというと、きっと私が漫画とかのフィクション系エンターテイメントで育った人間だからなのだと思います。フィクションにおいては登場人物の行動にはすべて理由が必要です。なぜそのキャラクターはそういう行動を取ったのか。これはもう必須です。何の理由もなくその行動をしたというのであればそのキャラクターは何の理由もなく行動するキャラクターだからという理由付けが必要になります。
つまり決断の背後には理由があるべきなのです。まぁそれはエンターテイメントの話ですけど、たぶん現実も同じなのでしょう。