読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

『女子とお金のリアル』すばる舎 感想

小田桐あさぎ『女子とお金のリアル』すばる舎 2023年8月刊 

 

 

確定申告も終わり、ゆっくり読書できるようになりました。小説も新書も漫画もこれからのんびり読んでいきたいと思います。こういうお金関係の本も読んでいこうと思います。税理士なので普通の人の100倍くらいはお金について詳しいですけど、マネー本を読んで勉強になることって結構多いです。この本はマネー本の中では明らかにプロ向けの本では無いと思いますけど、共感できる部分が多くてとてもおもしろかったです。

お金に対する心持ちや考え方について書かれた本でした。こういう考え方をすればお金のある人生になるという内容で、共感できて納得感のある内容が多かったです。お金は人からの感謝を集めた結果という話や、ビジネスとはいわばプレゼント選びという話などなど。貯金せずに自分に投資するという考え方も、とても共感でした。私も家族旅行にひたすらお金を使っていますけど、あとから思い返して楽しい気分になったりしていますね。そういうお金の使い方はとても良いと思っています。ついでに言うとうちの家も一人のためにお風呂を入れますし、エアコンは付けっぱなしです。細かい金額は誤差なので気にしないように生きています。もしエアコンの付けっぱなしで喧嘩したりイライラしたりすることがあるとすればそれは本当にお金で解決できる問題だと思います。

嫌なことをしないで好きなことだけするという考えも、とても納得でした。好きなことだけしていれば好きなことのスキルが積みあがっていくという考え。その通りだなと思いました。好きだから楽しく続けられますし、楽しく仕事を続けた結果クオリティが上がって稼ぎも増えるというのは理想的で、とても良いと思います。

一番ズルイと思う人を真似するとか、他人の得が許せないアンチとか、作者の人の言い回しがおもしろくてすいすい読めてしまいました。作者の素直な感じというか、欲望にストレートであろうという姿勢が伝わってきて、好感を持てました。さっと読めて印象に残る良い本でした。

遠藤かたる『推しの殺人』ネタバレ感想

遠藤かたる『推しの殺人』宝島社文庫 2024年2月刊

 

 

※小説の感想はすべてネタバレありで書いていこうと思います。

 

久しぶりに小説を読みました。そもそも確定申告期間中は読書する時間も無いのですけど、たまたま立川のららぽーとの本屋に入ったときに平積みに並んでいるのを見て、そのうち読むかなーと思って購入したら2日で読破してしまいました。おもしろかったです。

最近まったくライブに行かなくなってしまったので地下アイドル自体がとてもなつかしいものになってしまいました。独身のころはライブに色々と通っている間に有名どころはだいたい知っているくらいになっていたのですけど。

それはいいとして、この先ネタバレで語ります。

最初の殺人のときは、あーこれは別人が犯人パターンかぁと思ったのですけど、そんなことなかったですね。いきなりレンタカーを使って死体を運んだときは殺人バレ展開しかなさそうだけど大丈夫なのか…と思いながら読みました。途中でドッキリ展開が出てきてからがめちゃめちゃおもしろかったです。このドッキリのシーンは文章のスピード感と緊張感もすごくて、名シーンだったと思います。アイドルとしての覚悟という台詞を持ってくるのが良すぎた。色々な展開があり得ると思わせてドッキリオチというのは、良かったですね。そのあとの展開の流れも説得力がありました。

最後の終わり方も良かったですね。ライブで終わるのは美しい。ここも色々な展開があり得ると思わせる雰囲気で、うまい終わり方だと思いました。

地下アイドルの年齢制限あって有限な感じや地上に行けずに停滞している閉塞感が殺人隠ぺいの焦燥感と重なりあって、良い空気感になっていたと思います。全然知らない作家の作品でしたけど(デビュー作?)これは他の作品も読んでみたいですね。

SB新書『AI失業』感想

井上智洋『AI失業』SB新書 2023年11月刊

 

 

生成AIによって世の中がどう変わっていくか、興味深いですよね。変わる仕事と変わらない仕事があるのだろうなと思います。この本では特に仕事がどれだけ奪われるかという視点で語られていました。

生成AIによって代替される職業と代替されない職業があるということで、特にクリエイター、事務職、専門職などのホワイトカラーの職業が代替されていくだろうという内容で、とても納得感がありました。逆にブルーワーカー系の職業はAIに変わられることは無く、今後も人手不足は続くと。きっとそうなるだろうなと思います。保育や介護の人材は不足するでしょうし、運送なども不足するだろうと思います。

私のような税理士事務所は、この先どんどん少人数で済むようになっていくと思います。単純作業的な仕事の量はどんどん減っていきますよね。逆に言うと今までと同じ人数でまわすなら今までよりも多くの仕事をこなしていけるようになると思います。どちらを取るか悩むところですが。

人手不足の業界もあれば人手が余る業界もあるということで、労働市場のミスマッチが起こっていくという予測のようです。もともと少子化労働人口は減っていきますし、その分くらいの仕事減だったらちょうど良いのでしょうけど、なかなかそんな綺麗にはいかないのだろうと思います。

本の最後でベーシックインカムがおすすめされていましたけど、ベーシックインカムって公平感があって良さそうですよね。私は単純に仕事が好きなのでベーシックインカム導入後も変わらず仕事を続けると思いますけど。病気とかしたときに収入があるのは良さそうだなと思います。