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深水黎一郎『最高の盗難』ネタバレ感想

深水黎一郎『最高の盗難』河出文庫 2020年5月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

今月出たばかりの新刊ですね。とにかく新しい本を読みたくて、新刊コーナーの中から選んで買いました。『ミステリーアリーナ』の作者だな~と思って。寝る前に少しずつ読んでいって、3~4日で読み終わりました。

文章も読みやすくて良かったのですけど、正直ミステリーアリーナの方がおもしろかったかなとは思います。最高の盗難というタイトルについても、最高かなぁ…?という感じはありました。そもそも楽器の造りについて知らないのでふーんという感じだったというのがあります。バイオリンがどういう楽器なのかも、よくわからないですね。たぶん人生で触ったことないです。私の弟は子供のころバイオリンを習っていたみたいですけど私は音楽系は一切スルーでした。

バイオリンがどうやって外へ持ち出されたのかという話なのかなぁと思ったら外に持ち出されていなかったというオチは、ちょっと意外性があっておもしろかったです。タイトル的にも、盗みは完了するのだろうという気持ちで読んでいましたし。

どうもこれはシリーズものなのですかね。第1作から読んでおいた方が楽しめたかもしれないですね。こういうことは小説ではあるあるですよね。タイトルや表紙で続編とわかる小説もありますけど、続編だという情報を一切載せてない小説も普通にありますよね。読んでみて初めてわかる。続編ですと言うと売れなくなるからかな。本業界って、帯のネタバレとかもそうですけど、とにかく売れれば良いみたいなところがありますよね。ユーザー(読者)に100%で楽しんでもらおうというよりも。他の業界とは違うところだと思います。まぁ慣れてますし、全然いいのですけど。

この本の構成、ストラトヴァリウスの話とワーグナーの話と雪の中を歩く話の3つから構成されていますけど、繋がっているのかと思って、雪の中を歩く高校生はストラトヴァリウス話の探偵の若い頃なのかなとか思いながら読んでいました。ぜんぜん別物ぽかったですね。こういう構成の小説もあるのですね。

最後の話のヴァイオリンを弾くシーン、文章に迫力があって読んでいてわくわくしました。力が入るというか。緊迫感のようなものがありました。終わり方はよくわからなかったですけど、いい小説だったと思います。

最近はビジネス関係の本ばかり読んでましたので、久しぶりに小説を読めたのは、とても良かったです。色々読んでいきたいですね。