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ちくまプリマ―新書『カラヴァッジョ≪聖マタイの召命≫』感想

宮下規久朗『カラヴァッジョ≪聖マタイの召命≫』ちくまプリマ―新書 2020年2月刊

 

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1600年くらいのイタリアの画家カラヴァッジョについての解説本。だいぶ前に購入していた本でした。時代背景の解説や、絵の内容について諸説ある部分の解説などなど。

カラヴァッジョは、私が一番好きな画家です。美術館が好きと人に言うとよく誰が好き?と聞かれるのですけど、いつもカラヴァッジョと答えています。もう5年~10年くらい前だと思いますけど、上野の国立西洋美術館でカラヴァッジョの展覧会があって、そこでカラヴァッジョを見てとても感動してしまいました。めちゃめちゃ良かったです。構図と表情が最高に良い。見ててわくわくするというかどきどきするというか、そういう絵が多いです。絵の中に物語を感じるというか、物語の中の一場面を切り取っている感じというか。カメラだったらよくこの瞬間にシャッター押したなぁという感じというか。というか100枚くらい連続でシャッターを押してその中で一番表情がセクシーな1枚を選んだ感じというか。

その上野のカラヴァッジョ展はカラヴァッジョだけではなくてカラヴァッジョの弟子や影響受けた画家みたいな人たちの作品も同時に飾られていたのですけど、作者名を見なくてもどれがカラヴァッジョでどれがカラヴァッジョじゃないかわかりました。表情にどきどきするのがカラヴァッジョでそうでないのは別の画家の作品、という感じでした。

という感じでカラヴァッジョを好きなので、こういう解説本も読んでいておもしろかったです。イタリアの礼拝堂に描かれた作品についての解説も多くて、私はイタリアへ行ったことがなくて一度も見たことがないので、いつかイタリアへ行って礼拝堂の中のカラヴァッジョ作品を見てみたいなぁと思いました。

聖マタイの召命という作品について、絵の中の誰がマタイなのかについて意見が分かれているというのは、なんだかおもしろいなぁと思いました。結構他の画家の作品でもそういうのを聞きますけど、記録が残っていなくて後世の人たちは推測するしかないというのはおもしろいですね。歴史のわくわくする部分って感じがします。

カラヴァッジョ展って、国内のどこかで毎年やってるイメージがあります。作品数も多くないと思いますけど、常にそのうちの何作かは日本に来ているってことなのですかね。でもまた都内で展覧会があったら行ってみようと思いました。