読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

日経プレミア『安いニッポン』感想

中藤玲『安いニッポン』日経プレミア 2021年3月刊

 

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日経新聞の連載シリーズをまとめた本。日経新聞は毎日読んでいるので、当時のこの記事にも見覚えはありました。こういう趣旨の記事って定期的に目にしますよね。日本は他国と比較して物価がものすごく安くなってしまったと。日本人の私の感覚だと他の国の人から聞く物価の高さの話に驚いてしまいますけど。居酒屋で3000円くらい飲んで食べたときに、これアメリカだと余裕で1万超えるとか聞いたり。アメリカはラーメンの一風堂の値段も高いとか。海外旅行とか気軽に行けないですよね。物価を考えたら。

日本の物価や賃金が低いのは、経済が不景気という理由だけではなく、安いのが良いことという日本人の気質の問題もあると本の中で述べられています。これはなるほどですよね。あとは賃金を上げる交渉をしようとしないとか。私もサラリーマン時代に給料上げてほしいと言ったことはなかったですね…。給料については、もっと転職が楽になれば、不満があったら他のところへ行くみたいな感じでどんどん条件の良いところを探していけるようになるかもしれないですね。

物価については、物の値段だけではなくサービスの値段も日本は安いと述べられていました。本当にそういうニュース記事めちゃめちゃ目にしますね。税理士なんかもサービス業ですけど、報酬の水準は全体的に安い方なのではないかと思います。私も何とか考えて高くしてもらったりしていますけど、もっとスムーズに報酬アップを要求できるようになればいいなぁとはいつも思っています。報酬を上げてもらうとき、私も日本人気質なのか、来月から報酬アップでお願いしますとはなかなか言いづらくて、とりあえず1年間は今のままの報酬額でやりますけど来年相談させてください、みたいな感じでお願いしていますね。アップする予定の金額だけ今お伝えして。それくらい値上げには気を使ってしまっています。

なかなかこの国でインフレや賃上げはむずかしいだろうというのがこの本の結論のようですね。労働生産性を高めたり、日本人を意識を変えたりする必要があると。これはすぐには実現しないだろうなと思います。逆に言えば今この国である程度稼ぐことができたら安い物やサービスを爆買いできてボーナスステージということになりますね。私は典型的な現代日本人でまったく物欲がないので、仮にボーナスステージで爆買いできたとしても買いたいものが無いですけども。アウトレットに行って何も買わずに帰ってくるとかありますし。時間に余裕ができたらこうやって本を読んだりして過ごしていますし。こういう現代日本人がいるから物価や賃金が上がっていないということなのかもしれませんが…。

ちなみにこの本、ちょうどYoutuberの人が解説動画をアップしていました。

https://www.youtube.com/watch?v=Zxg8L7Nka1g

この人のチャンネル結構好きですね。仕事中によく流しています。この動画内で、もともと日本資本のテレビ局や芸能事務所(お笑い事務所?)で仕事をしていたのが今はアメリカ資本のYoutubeで仕事をしているというのが象徴的だと語られています。そのうち色んな業界でこういうことが起こってくるのかもしれないですね。