斎藤千輪『だから僕は君をさらう』双葉文庫 2020年11月刊
※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。
三軒茶屋のTSUTAYAで購入しました。本屋のおすすめコーナーの中から何となく選んで。まったく知らない作者の知らない小説でした。というかこれがデビュー作なのですかね。「ルーキー大賞」と書いてありますね。
寝る前に少しずつ読んでいきましたけど、後半は一気読みでした。
正直、序盤は読んでいてきつかったです。キャラクターや文体にあまりなじめず、話も進まず…という感じで、我慢しながら読む感じでした。ミステリの序盤は我慢だなぁと思いながら読んでいました。
中盤からは、最後まで一気読みでした。主人公が父親と同じように誘拐をしてしまうという展開は、とてもわくわくしました。おお~こういう物語なのか~という感動がありました。どういうオチになるのか気になりましたね。一気読みで読破してしまいました。
主人公のキャラクターについても、周りのキャラクターについても、序盤はあまりなじめなかったですけど最後の方は好感を持てました。主人公の雇い主のサロンオーナーの人とか、SNSで匿名で悪口を言った人とかも、最後は普通に好感でした。SNSで悪口を言ったあとの主人公とのやり取りや改心の流れも、とても良かったと思います。物語として好感を持てたというか。キャラクターにリアル感も感じました。
最後は感動でした。こういうベタな展開に対して素直に泣けるタイプなので、素直に泣けました。ハッピーエンドで良かったなぁと思いました。
正直よく知らずに買いましたけど、想像以上に良かったなぁという感じです。次の作品にも期待ですね。