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小林泰三『クララ殺し』ネタバレ感想

小林泰三『クララ殺し』創元推理文庫 2020年2月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

前作アリス殺しがおもしろかったので、twitterで続編出てるよと教えてもらって、すぐに買いに行きました。これもまたかなり長い日数をかけて読破しました。最近は眠くなる限界まで起きていてそのままベッドへ倒れるみたいに寝る日が多くて、寝る前の読書がなかなかできていませんでした。

今作も安定しておもしろかったです。会話文がものすごく面倒くさい感じの文体ですけど、2作目だったせいか、慣れました。これはこれでおもしろい文体なんじゃないかとすら思った。

完全にネタバレで語りますけど、前作とオチ同じでしたね。アリスと見せかけてアリスじゃない、クララと見せかけてクララじゃない。まぁこういうオチでもないとひねりがないですし。読んでいて途中からそうなのだろうなという感じはしましたよね。マドモワゼル・ド・スキュデリというキャラについては描写がしっかりあるのに新藤礼都というキャラについてはあまり描写がなくって、マドモワゼル・ド・スキュデリ=新藤礼都っぽくなかった。

なんか、2~3週間くらいかけて少しずつ読んでいたせいか、現実世界で死んでもホフマン宇宙では死なないという理論がよく把握できませんでした。逆は有るのに。前作アリス殺しからそうでしたっけ…。覚えてないですね。

基本ギャグノリなので、ドロッセルマイアーに似た人を現実世界で用意したという無理やりトリックも、まぁ有りかなって感じでした。

あと、帯の「まさかの続編!」という日本語にめちゃめちゃ笑った。本当に、まさか続編が可能だとは思えませんでした。しかも主人公同じで。オチまで同じで…。次のドロシイ殺しとティンカーベル殺しという作品も、もしかして同じ主人公同じオチなのですかね…。まぁそれでも買うかも。