読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

櫛木理宇『少女葬』ネタバレ感想

櫛木理宇『少女葬』新潮文庫 2019年5月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

ミステリではないけど一気読みだったと教えてもらった小説でした。まったく知らない作者の知らない小説でしたけど、新刊コーナーに平積みにされていました。これはたしかに、私も一気読みに近い感じで読み切りました。2日くらいで。文章も読みやすいし展開も気になってどんどん読める系の小説でした。少年少女の描写についてもリアル感を感じる部分が結構ありましたし。

さすがにかわいそうすぎてきついみたいな部分はありましたけど。最後、綾希の方だけでも幸せになってよかったというか。綾希の方は、カフェで読書を覚えていくあたりからはとても安心して読めました。でも眞実の方は最初の数ページで描かれていたひどい感じの終わり方になるのだろうなぁと予想できて、なかなかきつかったですね。でもストーリー展開的は、はらはらどきどきでした。どうなっていくのか続きが気になって、一気読みに近かったです。

こういう生活保護受給者の管理みたいな悪事って、たまにニュースや新書なんかで読んだことがありましたけど、実際リアルでここまでできるのですかね。杉並区だと住居は区が大家さんと直接契約して支払っていくのが一般的だと思いますけど。家賃と生活費を一括で受給者へ振り込むとこういう風に脱法ハウスみたいな安いところへ住んで差額を生活費に使おうと考える人が出てくるから。そうすると生活保護者たちを食い物にしようという人がいたとしても生活費部分からかすめ取るしかないわけで、シェアハウスに住まわせて~みたいなのが難しくなりそうなものですが。シェアハウスに住まわせる意味がないというか。まぁ実際のところはよくわからないですね。