読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

『定年後』感想

楠木新『定年後』中公新書 2017年4月刊

 

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吉祥寺kirarina7階の啓文堂で、2017年の1位という帯を見て購入。我ながらちょろいですね。1位と聞くと、とりあえずで買ってしまう。西新宿のNSビル(日本生命ビル)1階のタリーズコーヒーで、一気に読破しました。コーヒー1杯で1時間以上も居座った。でも2人組でずーっとしゃべってる人たちとか、1人でPC広げている人とか、すごい長い時間カフェに滞在し続ける人っていますよね。のどが乾きそうですけど…。西新宿も吉祥寺も、たぶんどの街も、カフェに入るだけでも一苦労です。人が多すぎるのかカフェが少なすぎるのか。

さてさて。定年後の過ごし方や定年までの心構えについての本でした。定年後の男性は孤独だという。私はまだ30代なので当分先の話ではありますが(開業税理士なので定年もありませんけど)、しかし他人事ではないですね。休みの日にわざわざ西新宿へ行って、カフェで1時間以上も読書するとか、まさに定年後の人みたいな過ごし方をした気がします。西新宿は大学生のころから大好きで、大学卒業後は税理士試験の勉強で通い詰めて、ご飯食べたりデートしたり、エモい思い出がつまった街です。私は西新宿の各ホテルのトイレの場所はすべて把握しています。本当に。

定年後の人の過ごし方として、図書館やカフェやスポーツジムなどが挙げられていました。平日午前中のカフェって行ったことないですけど空いているらしい。図書館はたしかに定年後ぽい人たちをよく見かけますよね。図書館=加齢臭みたいなイメージある。そして、定年後でそういう場所へ通う人たちはみんな独りぼっちらしい。いま30代の時点ですでに独りぼっちでカフェやスポーツジムに通っている私からすると、本当に他人事ではない…。一緒に行って話す相手がいればいいのですけど、いませんからね。まぁそれはそれでって感じですよね。

本の中では男女の違いがあると言われていました。女性は女性グループを作れるので孤独になりづらい、と。もちろん人にもよるでしょうけど。男の場合、既婚者の人(子供のいる人)は基本誘えないですし、年をとればとるほど誘える独身の友人が減っていくのがつらいですよね。例えば税理士仲間ですごく仲良くなりたい人がいてもその人が既婚者だと「休みの日に遊び行きませんか」とか「飲みに行きませんか」とか言いづらい。税理士はまだ税理士内で野球やテニスをしたり、得意先の方と一緒にご飯に行けたり、環境としては恵まれている方かもしれないですけど。

定年後の生き方として、残り時間が少ないことを意識しつつ社会とつながったり居場所を見つけたりしようということが本の中では語られていました。農業に手を出したりするのもいいらしい。あとは、次の世代に何かをつないでいくような活動をする、など。

私なんか、適度に運動して野菜とか体にいいもの食べてお金の心配もなくストレスの無い人生を過ごしているのでこのままだと無駄に長生きしてしまいそうなのですよね。お酒も飲み会以外では一切飲まないしタバコも吸わない。健康診断でも余裕のA判定ですし。でも90歳とかまで生きることになってしまったらほんとにどうしよう。元気に仕事をできればいいのだろうけど、まぁ体力的に厳しそう。下の世代にまかせて自分は会長職におさまる、みたいなのが一つの着地点なのでしょうけど、その形を作るのもなかなか大変そうだ。でもそれがこれからの私の人生の一つの目標として良いのかもしれない。それか毎日ラーメン食べ歩きでもして多少は早死にするようにコントロールするとか…。