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『悪いものが、来ませんように』ネタバレ感想

芦沢央『悪いものが、来ませんように』角川文庫 2016年8月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います

 

「おもしろいらしい」とおすすめされて買ってみた小説。広島行きの新幹線の中で半分読み、残りは広島で読破しました。全体的にめちゃめちゃおもしろかったです。最後のオチも完全にだまされました。ちょっと思い付かなかった。

序盤~中盤くらいは、女のめんどくささあるあるネタというか、人間関係のめんどくささあるあるネタというか、そういうノリで話が進んでましたけど、読んでいてあるあると共感できる部分が多くて、すいすい楽しく読めました。

ネタバレで語りますけど、終盤の、女同士の親友関係と見せかけて母娘関係でしたというオチは、本当にびっくりしました。でも序盤からひたすら母娘関係が描かれてきてましたので、なるほどと納得はできました。なんか、奈津子が25歳くらいのはずなのに紗英が30歳というのは違和感があったのですよね。まさか奈津子が49歳というオチだったとは。途中、鞠絵の証言シーンぐらいのときは、なっちゃんが2人いるオチかなぁとかぼんやり思ってました。紗英の友達のなっちゃん鞠絵の友達のなっちゃん、みたいな。それはそれで全然おかしいと思いながらですけども。

この小説は、一度読み終わったあと、すぐに最初からもう一度読み始めてしまいました。それくらいすごかった。二度読みの時の方がおろしろいぐらいでしたし。二度読みしてみると奈津子が49歳というのを匂わせるような部分も結構あっておもしろかったです。「ほつれた白髪」とか「もう体力的にもきついから」とか。産婦人科のシーンが今時こんな横柄な病院ないだろう…昭和か、って感じだったり。ほんとに昭和のシーンだったとは。

この作者の小説を読んだのは完全に初めてだったのですが、他の作品も読んでみたいなぁと思いました。それくらい良かったです。