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知念実希人『崩れる脳を抱きしめて』ネタバレ感想

知念実希人『崩れる脳を抱きしめて』実業之日本社文庫 2020年10月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレで書いていこうと思います。

 

ブログの存在を久しぶりに思い出しました。1~2行でもいいからたまには書いていこう思います。最近は夜の読書の時間が減ってきているのですが、寝る前に少しずつ読み進めて、1~2週間くらいで読破しました。途中からすごいおもしろかったです。

この作者の小説、前に何度か読んだことはあったと思います。この実業之~という出版社名に見覚えがありました。というかこの作者でしか見たことが無いと思います。もしかしたらこの作者の個人出版社なのですかね。出版社とかも作家が自分で作っちゃった方が100%自分で決められるというメリットがあるのかもしれないですね。

この『崩れる脳を抱きしめて』、序盤は話が進まなくって、惹かれる部分が少なかったです。ミステリなのかどうかもわからなかったですし。中盤から、死亡の真相を調べるみたいな展開になったあと、めちゃめちゃおもしろかったです。一気にわくわくしました。どういうオチになるのか読めなかったです。最後はとてもハッピーエンドで、読後感もとても良かったですね。

なんか弁護士の人との会話に対して、こんな失礼な話し方する弁護士いるわけないだろうという違和感がすごくて、作者は弁護士をどういう職業だと思っているのかな…くらいに思っていましたけど、犯人だったならまぁ納得というか、そんな感じでした。でも主人公とヒロインの会話とかも、なんか違和感というかファンタジーっぽさを感じましたね。大事なイベント当日にそれをすっぽかして新幹線に乗るとかのノリも、なんというか、作者は40~50歳くらいなのかなって感じでしたね。テレビドラマっぽいというか。それが嫌というほどではなかったですけど。

今の時代のリアルな小説を読みたいなー。

何かの大賞作品だと帯に書いてありましたけど、中盤以降のおもしろさは賞をとるだけあるなぁと思いました。またこの手の大賞作品は読んでみてもいいかも。