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朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』ネタバレ感想

朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』講談社文庫 2018年11月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレで書いていこうと思います。

 

2018年11月の本だったみたいですが、最近買いました。どこの本屋で買ったかあまり覚えていないのですが、たぶん小田急線経堂駅の本屋だったかなと思います。平積みになっている中から選んでますので、この作者の新刊と思って買いました。本屋あるあるですね。めっちゃ古い本でびっくりしました。

世にも奇妙な物語」というドラマがすごい昔にありましたよね。それがベースになっている小説らしいのですけど、私が学生のころのドラマなのでだいぶ前のドラマだと思います。「世にも奇妙な」という言い回し自体、10年以上ぶりに聞いた気がします。もう内容は覚えていないのですけど結構おもしろいドラマだった思い出があります。現代社会+ファンタジー要素という感じの。

ここからネタバレで語りますけど、この小説がドラマの「世にも~」に近いのかどうか、ドラマの方を覚えていなくてまったくわかりませんでした。なので単純に一つの小説として読みましたけど、なかなかおもしろかったです。各話にミステリ的なオチがあって。最後の5話目がファンタジー要素有りの話でしたね。それまでの各話の登場人物が役者として出てくるというのはめちゃめちゃおもしろかったです。かなりわくわくする展開でした。しかも脇役で、見返さないと思い出せないキャラもいたりして。1~4話までもかなり非現実的な展開の話でしたので、作中作みたいに役者が出てくる展開についても納得感はありました。5話の世界観に素直に入れました。

どの話も最後のオチが予想付かないものばかりで、おもしろかったです。ハッピーエンドではない感じもちょっと珍しくて良かったですね。小説って、ハッピーエンドじゃない小説の場合はハッピーエンドじゃないことに対して理由が必要になってくると思うのですけど、5話の作中作な展開が一つの理由説明みたいになっていて、うまい構成だなぁと思いました。

各話のオチが唐突で予想外なものが多くて、最後の5話の脇役が主役にという展開も唐突で、5話のオチも唐突で、なかなかすごい小説だったと思います。たぶんドラマの「世にも~」がこういう感じのドラマだったのかなと思いました。だから許される展開だったのかな、と。ちょっとドラマ版の方も見てみたくなりましたけど古い作品を見てもテンションは上がらないので、現代の感覚でリメイクされたものとか現代の感覚で作られた続編とかがあれば見てみたいなと思いました。