読んだ本の感想など

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PHP新書『売ってはいけない』感想

永井孝尚『売ってはいけない』PHP新書 2019年10月刊

 

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また久しぶりのブログ更新になりました。ここ1ヶ月くらいいそがしくて読書時間が減っていたのですが、最近ようやく仕事や生活も落ち着いてきて時間が取れるようになってきたので、どんどん読書していこうと思います。そして感想を書き留めていこうと思います。こういう風に文章を書いていると、書いているうちに考えが整理されてきて、どこかで自分の考えを人に伝えるときに役に立つことがあります。

というわけで『売ってはいけない』という本。読みやすくて内容も納得感があって、いい本でした。こういう売り方はよくないというのが具体的な事例で紹介されていて、逆にこういう売り方で成功してるというような事例も具体的に紹介されていました。ネスレやマルイが商品を売るのではないやり方で成功している事例や、クレーマーには売らないやり方や、ターゲットをしぼって売るやり方などなど。知らない事例も普通にあって、とても興味深い内容でした。こういう理由で成功しているという分析も、読んでいて納得感がありました。

税理士事務所も色々な売り方がありますよね。というか私は独立してから売り方のことばかり考えて事務所運営しています。将来どういう事務所にしたいか、それなら今のうちからこうやって売っていかないといけない、というような。1人で自宅兼事務所でやっていた時代から駅前のオフィスビルに広くてかっこいい税理士法人のオフィスを構える前提で行動していました。思えば開業してすぐの売上が無かった時期から色んな税理士の先輩に妹尾くんはそのうち絶対売上伸びるよと言ってもらえたのもとてもありがたくって、そのおかげで将来まで見据えて戦略的に事務所運営していけたのだと思います。

私もまったく営業をしていませんので、この本でいうところの売らずに売るというベクトルに近いかもしれません。売らずに売るやり方も色々とあるみたいですが、現状の私の場合は、完全にキャラクター売りです。私というキャラクターを気に入ってもらって顧問先になってもらっています。私のことを好きになってもらって、それで私を選んでもらう。私も私のことを好きな人のことが好きなので相思相愛になれて、とてもウインウイン状態で楽しく仕事できています。その人のことを好きなので、その人が得するように、その人が幸せになるように、その人のために仕事できているという感じです。

ただ、キャラクター売りだとどうしても上限があって、年収がどこかで頭打ちになると思います。私を求めて来てくれる方々に対して私以外の従業員が応対するわけにはいきませんし。私は週4日くらい働くのが理想で、がんばれば週5~6日働けますけど、がんばってもそれが上限なので、そうなったらあとは仕事をすべて断るしかないです。たぶん週6~7日とかで働いたとして年収2000万円くらいが頭打ちだと思います。ただ、私は週4日で年収1000万円で十分です。というかもっと低くても全然いいです。お金のかかる趣味もありませんし。現状で満足すぎるので欲がわいてこないですね。

キャラクター売りからシステム売りに変更していくという手もありますけど、現状まったく気が乗らないですね。従業員をいっぱい雇おうとしたら考えが変わっていったりもするのかなぁ。それか、現実的な話として、30代税理士のときは税理士でーすというだけで仕事が来てましたけど50代60代になったらそうもいかないかもしれない。それくらいの年齢になったら税理士法人の中の若くて優秀な人たちをメインにして、自分はサブとして仕事していくのかなーとぼんやり思っています。