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アンソニー・ホロヴィッツ『メインテーマは殺人』ネタバレ感想

アンソニーホロヴィッツ『メインテーマは殺人』創元推理文庫 2019年9月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

ずいぶん久しぶりの読書感想になりました。実際この1ヶ月くらいは、ほとんど小説を読んでいませんでした。ビジネス系の新書か専門書だけを読んでました。ここまでミステリ小説を読まなかったのはなかなかめずらしいです。この11月は大きな仕事があって、その仕事に時間を割いていたという理由もあります。今それが無事に終わりかけてきまして、これからはまた小説を読んだり新書を読んだりしながら過ごしていこうかなと思っています。

あと、新事務所をオープンしました。今まで自宅兼事務所でやってきましたが、ついに自宅とは別に事務所を設置しました。開業してちょうど丸2年が経ち、これから開業3年目を向かえます。そのあたりの抱負や現状の売上などについては、別記事で文章にしておきたいと思います。これからは家賃を2倍払っていくことになりますし、従業員も雇用しましたので(まだフルタイムではないですが)、しっかり稼いでいかなければいけません。目指せ杉並区ナンバー1税理士!ですね。

ということで、この『メインテーマは殺人』、だいぶ前に読み終わっていたのですが、ようやく今ごろになって時間が取れて、ブログを更新しています。最初から最後まで安定しておもしろかったです。前作の『カササギ殺人事件』もおもしろかったので、永福町の駅ビルの本屋で見かけたとき、その場で購入しました。

帯で「犯人当てミステリ」とネタバレされていることにいま写真撮影して気づきましたけど、まさに犯人当てミステリという内容の小説でした。王道というか。ネタバレで語りますけど、特に叙述トリックもなく、大逆転オチのような展開もなく、という作品でしたね。終盤の方を読んでいるとき、あまりにも普通に進むので、何かすごいオチが待っているんじゃないか…と身構えてしまったのですが、特に何もないまま普通に終わりました。実は主人公が犯人とか、ホーソーンが犯人とか、実は作中作とか、そういうオチなのかとちょっと思ってしまいました。ネタバレかもですけど実際そんなオチだったこともありましたし。

犯人についても納得感がありましたし、少しずつ真相が明かされていくところや、作中の情報から推理できるようになっているところは、前作に続いてとても良かったと思います。素直に読めるというか安心して読めるというか、ミステリとして読みやすいというか。

前作でも思ったのですが、この作者のことや舞台背景を知ったうえで読んだ方が倍くらい楽しめるのだろうと思います。この作者の作品はたぶんアメリカかイギリスが舞台で、言語はおそらく英語なのだと思います。私がこの舞台の国で生まれ育って英語が母国語の人間だったなら、もっともっと楽しめたのだろうなと思います。これについてはしかたないですね。逆に日本が舞台の小説や漫画は日本人の私が一番楽しめるのだろうと思いますし。どれだけグローバル化が進んで地球が狭くなっていってもそういうものなのだろうと思います。同じTwitterfacebookでも国によって使われ方が違うみたいですしね。

作中で出ているスピルバーグ?とか名前を聞いたことはありますし、作者自身が主人公という体になっていたり、リアルの人間が登場人物として出てくるタイプの小説だったみたいですね。たぶん作者の顔なんかも知っている前提の作品ですよね。私はそこをまったく知りませんでしたので、いまいちその辺の描写を楽しめなくって、ちょっと残念でした。でも、それでもこれだけ楽しめたのがすごいなとは思いました。良いミステリだったと思います。次の作品も楽しみですね。