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日部星花『偽りの私達』ネタバレ感想

日部星花『偽りの私達』宝島社文庫 2019年7月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

Twitterでいつも小説をおすすめしてもらってる人からいくつか教えてもらったうちの1冊です。今月出たばかりの新刊でした。17歳が書いたということが帯でもアピールされていますけど、17歳でしっかりストーリーとオチのある小説を書けるのってすごいですね。

広島行きの新幹線の中で一気に読破しました。たぶん2時間くらい?だったと思います。おもしろくてさらさらと読めました。最近あまり小説を読めてなかったのですけど、新幹線の中は読書がはかどりますね。

作中のキャラクター設定や描写についてはなかなか好感をもてました。現実的な範囲内というか。天才キャラがあり得る範囲内での天才キャラになっているというか。まほうつかいというファンタジー要素がありながら、だからこそと言えるかもしれませんけど、キャラクター設定などは現実的な路線で、そういうところのバランスがとても良かったと思います。読みやすかったです。

一章の手記が完全に創作だったオチは、なるほどなーって感じでした。色々と話の前提が崩れてしまって混乱しましたけど、他の章と照らし合わせるとそこまで全部が創作ってわけでもないみたいですね。二章の「まほうつかいには、それになるべき意思を持った者がなる」の台詞が一章のとは違っていたので、読んでいてあれ??とは思っていました。

渡辺百香視点の終章も、最後の終わり方も、とても良かったと思います。最後さわやかで良い終わり方でした。ハッピーエンド感がありました。

これでまだ17歳ということは、次回作以降もとても期待したいと思います。文体やキャラクター設定はとても17歳っぽかったですね。20歳や30歳になったときもまた楽しみです。