藤崎翔『神様の裏の顔』角川文庫 2016年8月刊
※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。
これは、本屋で平積みになっているのを見て、買いました。結構古い作品だったということを、いま知りました。2016年て。むしろなぜ2019年の今ごろになって平積みになっているのだろう。謎ですけど、本屋ってたまにこういうことありますね。何か賞をとったとかなのかな。
寝る前に少しずつ読んでいってたのですが、後半部分は一気でした。序盤は独特の口語調の文体に少しなじめなかったのですが、後半は物語展開がおもしろくて文体も気にならなくなりました。最後のオチもめっちゃおもしろかったです。
ネタバレで語ります。
妹が姉の別人格だったという部分は、意外性はあっておもしろかったですけど、ちょっと無理やりすぎる感じがして、うーーんって感じでした。2人じゃなくて1人だったことがストーリーやトリックと関係しているわけでもないですし…。顔の似ているイトコが場にいて読者はそのキャラを妹と誤認していたというところはおもしろかったですけど、序盤の1ヵ所だけですし…。
物語的には、二転三転あってめちゃめちゃおもしろかったです。序盤~中盤で少しずつ殺人犯かも?となっていったのが終盤で実は違いましたとなっていって、この時点でおもしろかったですけど、最後に娘が真犯人だったオチという。終盤は本当に一気読みでした。
全然知らない作者の知らない作品だったのですけど、世の中おもしろい小説ってまだまだあるのだなぁと思いました。本の世界は広すぎて追いきれないですね。