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『日本の分断 切り離される非大卒若者たち』感想

吉川徹『日本の分断 切り離される非大卒若者たち』光文社新書 2018年4月刊

 

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壮年大卒男性、 壮年大卒女性 (壮年=40代50代)

壮年非大卒男性、壮年非大卒女性

若年大卒男性、 若年大卒女性 (若年=20代30代)

若年非大卒男性、若年非大卒女性

現代の日本は ↑ の8グループに分断されているという。グループごとに、人生の満足度や社会参加度などが大幅に違ってくるらしい。

私は ↑ のグループでいうと若年大卒男性で、たしかにこの本で言われている通り、収入があって人生にある程度満足していて独身です。若年大卒男性は「絆の少ない自立層」とあるのですけど、まさに私はその典型的なタイプと言えるかもしれません。他の階層の人たちがまったく周りにいないことも、この本の通り。ほんとに典型ですね。

このグループの中で問題なのは若年非大卒男性と若年非大卒女性で、社会から切り離されているという状態らしいです。働き盛りでありながら職業人として不安定な状況にあることが多く、職業威信や収入が低い、と。そして社会参加や文化的活動という視点で見ても、他グループと比べて低いそうです。この層について「読者のなかには、彼らと日常的な接点が少なく、実像をつかみかねているという人もいるかもしれません」という一文がありました。やはり大卒男女が読者として想定されているのかな。たしかに、社会全体でこの層を支えていく必要があると言われても、自分の周りに一人もいなくてピンと来ないという感じはありますね。指摘自体は本当にその通りだと思うのですけど。VAZキャリアみたいな非大卒向け就職支援サービスが規模を大きくしていければ社会にとってプラスなのだろうなと思います。

あとは、読んでいて笑ったのが「イクメンは若年大卒男性の夢」という内容ですね。若年大卒男性は世の中のイクメンキャンペーンの通りに育児意識が高まっているが彼らの多くは独身なので夢で終わっている、と。実際イクメンとかフェミニズムとか言ってたらモテないですしね。そういうこと考えている人の方が独身ってイメージはたしかにありますよね。ちなみに私も典型的独身男性なので育児意識は高いです。赤ちゃんをお風呂に入れるやり方も知っています。しかしこの先の人生で育児をする機会があるかどうかは、わからないですね。無駄な知識を身に付けてしまったかな。