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春畑行成『僕が殺された未来』ネタバレ感想

春畑行成『僕が殺された未来』宝島社文庫 2017年8月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

(この感想はネタバレあまり無いかもしれません)

 

このミステリーがすごい大賞?という賞の中の作品らしいです。大賞は取っていないけど良かったので出版されたという経緯の小説らしい。全然知らない作者の知らない作品だったのですけど、読みやすくて結末が気になってすいすい読めて、おもしろい小説でした。寝る前に読んで2日で読み切りました。一気読みできる小説だと思います。ただ、これが大賞を取らなかったというのは、とてもよくわかります。私が子供のころから今現在まで、漫画や小説で何度も何度も見てきたストーリーそのままって感じの小説でした。未来からやってきた人に「このままではあなたは〇〇になります」と言われてそれを回避しようとがんばる系の物語。一つの定番と言えるストーリータイプだと思います。でもその中では、この小説は完成度の高い方だと思います。たぶん20~30年前だったら普通に大賞だった。読んでいておもしろかったし。

読み終わったあと、この表紙を見て、この小説の色々な要素が詰め込まれたすばらしい表紙だなぁと思いました。前を向く主人公と切ない感じのハナという構図もイメージ通りですし、作中に登場したものが勢ぞろいしてる表紙って感じで。火星のカービィも読んでいて想像した通りの外見でした。

主人公もヒロインも未来人のハナもとても好感が持てるキャラクターで、終わり方も良い小説でした。特にハナの切ない感じが、この小説のとても良いところだったと思います。