瀬川コウ『今夜、君に殺されたとしても』講談社タイガ 2018年1月刊
※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。
twitterでおもしろそうな感じで紹介されていたので購入しました。本屋の新刊コーナーでも表紙がとても目立っていましたね。ちょっと石野理子っぽい感じの女子の絵の表紙。インパクトありました。
話のテンポが良くてさらさらっと読めて、最後までおもしろい小説でした。読み終わったあと作者の人のツイキャスまで聴いてしまった。なかなかイケボで聞き取りやすい声で「コンキミ(と略すらしい)は評判が良かったので色々と展開できるようになりました」と言ってました。続編という意味なのか漫画化ドラマ化という意味なのか、それはまだ言えないそうですが。
あと、作者の人のツイキャスでは「コンキミは人を選ぶ作品」とも言われてました。これは私もそう思います。キャラクターや舞台設定がとてもファンタジー寄りですし、会話文も芝居調というのか、ファンタジー調で、変な雰囲気ありましたし。私もこういう会話文はどちらかと言えばしらけてしまうタイプです。会話文はリアル寄りの方がいい。それでも読んでいくうちに気にならなくなってきて、最後の方は普通に読めました。(女子高生探偵との台詞のやり取りは読んでいてきつい部分が最後までありましたけど。)
殺人者の異常性についての描写がどれも妙に納得感あっておもしろかったです。髪の毛で楽器を作るとか、誰かが名札に気づいたときに自分を捨てるかどうか試すとか、異常性を感じさせる描写でありながら妙にリアル感がある。ほんとにこんな異常者いそう感というか。そしてこういう異常者のことをわかるアザミとわからない主人公の対比もおもしろかったです。最後まですいすい読める小説でした。もし続編が出るのだとしたら、買いたいですね。