読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

『黒い家』ネタバレ感想

貴志祐介『黒い家』角川ホラー文庫 1998年12月刊

 

f:id:seoma:20171128235216j:plain

 

※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

ホラー系だけどおもしろいとおすすめされて、購入しました。これは古い作品と知っていながら購入。この作者のデビュー作らしいですね。ちょうどこの小説を読んでいる途中に、この作者の「エンタテイメントの作り方」という新書を読みました。本屋で平積みされていて、タイムリーだなぁと思って。そっちも良い本でしたね。

ちょっとネタバレというか、その「エンタテイメントの作り方」という本の中で、菰田幸子というキャラクターが~~みたいに重要人物っぽく語られていて、あ、実は夫じゃなくてこっちが主犯なのか~とわかってしまいました。これ知らなかった方が衝撃度は高かっただろうなぁと思いました。

あと、その新書の中で『黒い家』というタイトルは審査員の人が変更したという話も明かされていました。元々は『モラルリスクの黎明』というタイトルだったそう。モラルリスク~の方のタイトルは最後までまったくピンと来なかったですけど、あの終わり方を考えるとそっちも良いタイトルだったかもしれないと思えました。最後まで読んで初めてタイトルの意味がわかる、と。菰田夫婦は始まりに過ぎなかったということで、恐怖感のあるタイトルになっていたんじゃないかと思います。黒い家は黒い家でいいと思いますけど。

後半はほんとに一気読みだったのですけど、特に恐怖感あったのが、主人公がコンビニに行って帰ってきたら菰田幸子が来ていて合鍵で部屋に入られたシーンですね。ここほんと恐怖感あっておもしろかった。あとは、そのあと黒い家へ忍び込んで三善の死体を見つけるシーン。もうこのあたりから最後まで本当に一気読みでした。深夜2時すぎまでかけて。ホラーというかサスペンスというか、はらはらどきどき感がめちゃめちゃおもしろかったですね。