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『ウォーク・イン・クローゼット』ネタバレ感想

綿矢りさ『ウォーク・イン・クローゼット』ネタバレ感想 講談社文庫 2017年10月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

今月出たばかりの新作。吉祥寺パルコ地下のパルコブックセンターで購入。ここは新作コーナーが見やすくていいです。地下2階のせいか適度に空いていますし、好きな本屋ですね。

綿矢りさ作品を読んだのはたぶん数年ぶり?くらいだと思います。何冊か読んだことはありまして、文章うまい作家という認識でした。今作も文章表現が全体的に良かったと思います。「時間は有限だ。でも素敵な服は無限にある。」1行目から良い文章。さらさらと読める小説で、一気に読み終えた感じがしました。軽くて読みやすい内容というか。普段ミステリばかり読んでいるので、こういう小説もいいなと思いました。

1作目「いなか、の、すとーかー」も2作目「ウォーク・イン・クローゼット」も、どちらも続きが気になりつつすいすい読めて、最後はさわやかに終わる感じで、読みやすく読後感の良い小説でした。「いなか、の、すとーかー」の方は途中でオチが読めた感じはありましたけど、最後は主人公が本業がんばっていこうと覚悟を決めるという終わり方で、このさわやかなオチは読めなかった。「ウォーク・イン・クローゼット」の方は物語展開がはやくておもしろくて最後まで一気読みでした。オチとか無い話でしたけど、ユーヤくんが洗濯話に乗ってくれる終わり方は後味良かったですね。

1作目も2作目も、陶芸の話、洗濯の話と馴染みの無い世界の話でしたけどどちらも妙にリアル感があったのがおもしろかったです。ほんとに全然知らないので実際のところはわからないですけど。色んな世界が描かれるのが小説のおもしろさだなぁと思います。