真柴幸子『殺人鬼フジコの衝動』徳間文庫 2011年5月刊
※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。
名前だけはずっと前から知っていましたけど、この前おすすめ?されて初めて読みました。3日くらいで読破でした。
序盤~中盤は藤子の貧乏物語って感じのストーリーにまったく共感できなくってきつかったのですけど、最後どうなるのかなぁと気になって読み進めていく感じでした。そして、最後のオチ、めちゃめちゃおもしろかったです。びっくりしました。コサカさんのお母さんがなぜか何度も物語に出てきていたのはこういうことだったのかぁと。予想外のオチでした。ミステリー感あった。なので読み終えたときの満足度はかなり高かったです。
序盤~中盤はほんと、世界観になじめないというか、いじめで自殺するクラスメイト女子とか貧乏姉妹が体操着を共用とか、いくらなんでも…って感じの共感できない話が続いて、きつかったです。しかし共感できない具合でいったら中盤以降の方がすごかった。藤子の人殺し連発物語。でも中盤くらいになるとこの世界観にも慣れてきたというか、ある程度納得しつつ読むことができていました。子供時代からしっかり背景が描かれているから、読者として補完できるのかもしれない。
藤子が何をしても不幸になっていく感じが読んでいてかわいそうでしたけど、エンターテイメントとしてはすらすら読めました。これ最後どうなるのかなーと続きが気になって。それで最後、まさかこんなミステリー的なオチが用意されているとは思わなくって衝撃を受けましたし、めちゃめちゃ満足度高かったです。子供は殺人鬼にならずに済みそうな感じでその部分については救いもありましたし。