読んだ本の感想など

電車の中やカフェで読んだ本の感想などを。

知念実希人『リアルフェイス』ネタバレ感想

知念実希人『リアルフェイス』実業之日本社文庫 2018年6月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

『誘拐遊戯』がおもしろかったので、同じ作者の小説をということでAmazonで買いました。Amazonで買ったせいでカバーがなくて帯を見ながら読んだわけですけど、最後にびっくりオチがあるということがネタバレされてました。さらに裏表紙には「どんでん返しの真骨頂」と書かれてありましたし。さすがに、帯や表紙にここまで書かれてしまったらオチも推測できてしまって、あまり意外性がなかったです。たぶんこの帯と裏表紙がなかったら普通に騙されていたのでもっともっとおもしろかったと思いますけど。この小説の本来のおもしろさを10とすると、帯と表紙のせいで5~6くらいしか楽しめなかったと思います。実際、誘拐遊戯の方が圧倒的におもしろかったです。あっちの方はびっくりオチに完璧に騙されましたし。でもこれはミステリ小説ではあるあるですね。帯でネタバレされておもしろさ半減というのは。ネタバレ有りで読むのとネタバレ無しで読むのとでは、全然おもしろさが違いますよね。

この実業之日本社文庫という会社、今までまったく聞いたことがありませんでした。まぁ会社名なんてそんなに注目してませんでしたけど。本屋の棚から探すときちょっと困りそう。

そんなわけで『リアルフェイス』、最初は主人公2人の会話のノリにあまりなじめなかったのですけど、中盤から気にならなくなりました。すいすい読めて、オチは想像つきましたけど、最後まで一気読みできました。新聞記者の平崎というキャラの怪しさはすごかったですね。なんというか、不自然さがすごかった。

終盤になって今までの患者の人たちが集結して手を貸してくれる展開はおもしろかったです。役者の2人が救急隊員の役をやってヤクザの人たちが見張りをやって、という展開。

流れでこの作者の他の小説も買っていますので、次はそれを読んでみようと思います。緊急事態宣言で飲みの予定が全キャンセルになって読書時間をめちゃめちゃとれるようになって、穏やかな日々を過ごせています。この機会に仕事関係の勉強もいっぱいしておこうと思います。

知念実希人『誘拐遊戯』ネタバレ感想

知念実希人『誘拐遊戯』実業之日本社文庫 2019年10月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

新型コロナウィルスで外出自粛になり、飲み会やらの予定がすべてキャンセルになって家で過ごす時間が増えました。仕事の方も郵送やメールのやり取りだけになってしまっています。税理士の仕事はPCに向かう仕事も人と会って話す仕事も色々ありますけど私は圧倒的に人と会って話して稼ぐタイプの税理士でしたので、今の状況は少し寂しいです。とはいえ、家でのんびり読書したりするのも好きなので、1~2ヶ月そういう生活を送ること自体はまったく問題ないかなと思っています。

というわけで、知念実希人『誘拐遊戯』。吉祥寺アトレの本屋で、家で過ごすために本を何冊か買い込んだうちの1つです。Amazonもありますけど、本屋の新刊コーナーとか平積みコーナーが一番クオリティが高いので、結局ここで買ってしまいます。Amazonのランキングとかひどいですし、平積みコーナーのような見やすいページも無い。早くそういうページが作られてほしいなぁと思いながら10年くらい経ってます。

この作者の小説は前に何かを読んだことがあって、文体があまり好みではないかなと思って敬遠していました。でもこの『誘拐遊戯』はそんなに気にならなかったです。普通に読めました。

ストーリーがおもしろくて、続きが気になって2~3日で読み切りました。すいすい読めた感じです。序盤の5角形で皇居とかの展開のときはあまり盛り上がりませんでしたけど、人質が死亡してから先の展開は、割と一気読みに近かったです。最後のオチもめちゃめちゃおもしろかったですね。

ネタバレで語りますけど、娘が犯人というのはまったく予想外でした。ゲームマスター模倣犯というオチも、なかなかすごいなと思います。それで読み返してみたらすべて納得というか、そういう意味だったのかと思える部分が多くて、すごいおもしろかったです。最後の予備校講師がゲームマスターだった的な展開のときはあきらかにおかしかったので、これは真のゲームマスターは見つからないまま次回作へ続くオチなのかなぁぐらいに思ってました。まさかすべてがきっちりはまって完結するとは思いませんでした。

これは、この作者の他の作品も読んでみたいですね。これから在宅でずっと過ごして暇ができそうですし。読書したりブログ更新したり、事務所サイトの方も久しぶりに更新たりしたいし。そういうことしながらのんびり過ごしていこうかなと思います。

小林泰三『クララ殺し』ネタバレ感想

小林泰三『クララ殺し』創元推理文庫 2020年2月刊

 

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※小説の感想はすべてネタバレ有りで書いていこうと思います。

 

前作アリス殺しがおもしろかったので、twitterで続編出てるよと教えてもらって、すぐに買いに行きました。これもまたかなり長い日数をかけて読破しました。最近は眠くなる限界まで起きていてそのままベッドへ倒れるみたいに寝る日が多くて、寝る前の読書がなかなかできていませんでした。

今作も安定しておもしろかったです。会話文がものすごく面倒くさい感じの文体ですけど、2作目だったせいか、慣れました。これはこれでおもしろい文体なんじゃないかとすら思った。

完全にネタバレで語りますけど、前作とオチ同じでしたね。アリスと見せかけてアリスじゃない、クララと見せかけてクララじゃない。まぁこういうオチでもないとひねりがないですし。読んでいて途中からそうなのだろうなという感じはしましたよね。マドモワゼル・ド・スキュデリというキャラについては描写がしっかりあるのに新藤礼都というキャラについてはあまり描写がなくって、マドモワゼル・ド・スキュデリ=新藤礼都っぽくなかった。

なんか、2~3週間くらいかけて少しずつ読んでいたせいか、現実世界で死んでもホフマン宇宙では死なないという理論がよく把握できませんでした。逆は有るのに。前作アリス殺しからそうでしたっけ…。覚えてないですね。

基本ギャグノリなので、ドロッセルマイアーに似た人を現実世界で用意したという無理やりトリックも、まぁ有りかなって感じでした。

あと、帯の「まさかの続編!」という日本語にめちゃめちゃ笑った。本当に、まさか続編が可能だとは思えませんでした。しかも主人公同じで。オチまで同じで…。次のドロシイ殺しとティンカーベル殺しという作品も、もしかして同じ主人公同じオチなのですかね…。まぁそれでも買うかも。